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県文化財指定へ 加計呂麻のアシャゲ、中甫洞穴の出土品

奄美の2件、県文化財指定へ

南海日日新聞〔写真〕瀬戸内町加計呂麻島のアシャゲ(県教育委員会提供)

南海日日新聞〔写真〕瀬戸内町加計呂麻島のアシャゲ(県教育委員会提供)

鹿児島県文化財保護審議会(原口泉会長)は18日、瀬戸内町加計呂麻島のアシャゲと知名町の中甫洞穴出土品など8件を県の文化財に指定するよう県教育委員会に答申した。4月の教育委員会定例会での議決を経て正式に決定する。

アシャゲは、ノロ信仰に伴う祭祀(さいし)のための建築物。以前は奄美大島南部の集落に広く残っていたが、現在は加計呂麻島西部の実久地域に集中している。

指定が答申されたのは阿多地、須子茂、三浦の3集落に残るアシャゲ。奄美のアシャゲの典型的な特徴を持つ一方で規模や部分的な構造はそれぞれ異なっており、奄美のアシャゲを理解し後世に伝えるための貴重性が評価された。

瀬戸内町郷土館文化財係の町健次郎さん(49)は「奄美群島で最後まで残っていたノロ祭祀の姿を想像させる建造物として、後世のために守り伝える努力を続けていきたい」と話した。

中甫洞穴出土品は、知名町久志検の中甫洞穴(2018年度に県文化財に指定)で出土した縄文時代から古代期にかけての土器や石器、貝類、動物骨など237点。類似例が少ない土器や石器、貝器など学術的に価値が高い遺物が出土しており、奄美群島の考古学研究で極めて重要とされた。

知名町生涯学習課文化財係の宮城幸也さん(32)は「18年度に文化財に指定された洞穴と合わせ、出土品の価値が認められたことは非常にうれしい。町内には学術的に価値が高い遺跡があるので、それらと連動した活用を図っていきたい」と述べた。

今回の8件を含め、県指定文化財は313件となる。奄美関係以外の文化財は次の通り。

有形文化財

廣泉寺の木造阿弥陀如来立像附紙本納入品(南さつま市)

無形民俗文化財

入来神舞(薩摩川内市)、王子町鉦踊り(鹿屋市)

天然記念物

阿久根市光礁と五色浜(阿久根市)、指宿市知林ヶ島のトンボロ(指宿市)、屋久島早崎海岸の鉱脈群(屋久島町)


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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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