鹿児島県奄美大島宇検村の阿室小中学校(中村正治校長、児童生徒19人)の生き物調査「奄美の自然を調べよう~阿室川で幻のリュウキュウアユを探せ!第3回~」が10月14日、阿室川であった。児童生徒18人や教員、保護者らが参加し、希少種の「リュウキュウアユ」や「ルリボウズハゼ」から奄美で身近な「テナガエビ」、河口付近にいるヤドカリ「ツメナガヨコバサミ」など多様な生き物に触れ合い、楽しく生態を学んだ。
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同校の生態系や生物多様性の保全を学ぶ環境教育の一環。奄美マングースバスターズの後藤義仁さんと鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センター奄美分室の𠮷川晟弘特任研究員が講師を務めた。環境教育や地域づくりを専門とする立山芳輝さんも支援した。
𠮷川研究員が研究対象のヤドカリについて紹介した後、阿室川に移動。子どもたちは網を持って川に入り、生き物を捕まえたり、仕掛けに追い込んだりした。捕まえた生き物は白いバケツに入れて観察。リュウキュウアユは後藤さんが撮影した数匹の個体を確認した。
リュウキュウアユは奄美大島と沖縄本島のみに生息し、環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類。過去2回の調査では観察できなかった。後藤さんによると、川に堆積した泥を防災のために取った影響で、川底がきれいになりコケが生え、それを食べにリュウキュウアユやボウズハゼの仲間が来たのではないかとみられる。
5年の小野刹那君(10)は「ヨウジウオやルリボウズハゼが見られてよかった」と笑顔。𠮷川研究員は「身近な生き物を知ることで、将来生態系の変化にすぐに気付けるようになると思う」と話し、後藤さんは「(子どもたちには)当たり前の自然かも知れないが、奄美の自然の豊かさや希少種を知ってもらい、これからも興味を持ってくれれば」と期待した。
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