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歴史のバトン未来へ 日本復帰70年=名瀬小で集会、「断食悲願」朗読も

奄美群島の日本復帰から70年の節目を迎えた12月25日、奄美各地で記念行事が行われた。復帰運動の中心地となった鹿児島県奄美市の名瀬小学校では、「日本復帰記念の日のつどい」が開かれ、復帰運動経験者から戦後世代の一般市民、小・中学生まで約1600人が参加。群島一丸となった無血の民族運動に思いをはせ、先人が刻んだ歴史のバトンを未来へとつなぐ決意を新たにした。奄美市では記念講演や、ちょうちん行列、記念花火の打ち上げもあった。

復帰運動の象徴となっている名瀬小の石段の上で泉芳朗の詩「断食悲願」を朗読する同小6年生42人=12月25日、奄美市名瀬

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奄美群島は戦後約8年間、米軍統治下に置かれた後、1953(昭和28)年12月25日に日本復帰した。旧名瀬市議会は96年、この日を「日本復帰記念の日」とした。

毎年12月25日は官民が一体となり、つどい開催を広く市民に呼び掛け、復帰運動の伝承に取り組んでいる。同市によると、奄美まつりや市民体育祭・文化祭など、大半の行事が中止となった新型コロナウイルス下も、復帰記念の日のつどいだけは規模を縮小し、継続してきた。

つどいは午後6時に始まり、奄美市立金久中2年の臼山倫羽(うすやま・ともは)さん(14)が司会を務めた。

国歌斉唱、「日本復帰の歌」に続いて、安田壮平市長が「先人たちの奮闘と努力のおかげで今の奄美があることに感謝し、また私たちも将来の奄美に生きる人々に感謝していただけるよう、今を大事に努力していこう」とあいさつ。

復帰運動の象徴である名瀬小敷地内の石段の上で、同小6年の児童42人が、復帰運動のリーダー泉芳朗の詩「断食悲願」を朗読した。

生徒代表の感想発表で名瀬中2年、杉本寛喜さん(14)は、70年前の先人たちの苦労に思いをはせつつ、「先人たちが守り受け継いできた文化や風習を絶やすことがないように、そして日本復帰にかけた人々の歴史を語り受け継いでいくことが、今を生きる私たちの使命」と訴えた。

参加者全員で日本復帰祝賀の歌「朝はあけたり」を斉唱し、万歳三唱で締めくくった。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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