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アマミノクロウサギ特別公開 平川動物公園、保護の2匹

アマミノクロクサギ特別公開

国の特別天然記念物で夜行性のアマミノクロウサギ2匹が24日、鹿児島市の平川動物公園で特別公開された。飼育担当者が治療の状況や自然界での生息状況などを解説。
来園者は世界自然遺産候補地の奄美大島と徳之島にしか生息せず、両島でも日中はめったに見られないクロウサギの生態に興味を深めた。

〔写真〕特別公開された「ケンタ」=24日、平川動物公園

南海日日新聞:〔写真〕特別公開された「ケンタ」=24日、平川動物公園

同園は、交通事故に遭ったり、他の動物にかまれたりして負傷したクロウサギを2015年から受け入れている。これまでに5匹を飼育。うち、徳之島町で保護された1匹が死亡し、奄美市名瀬で保護した1匹は2017年に野生に復帰した。現在飼育中の3匹についても野生への復帰を目指している。特別公開は4回目。

今回公開されたのは雄と雌の各1匹で、ともに体長約50センチで体重2.2キロの成獣。雄の「ケンタ」は宇検村の林道でネコにかまれ、雌の「マツバ」は天城町の道路上で交通事故に遭ったとみられる。いずれも奄美市名瀬の獣医師の治療を受け、同園で経過観察を続けている。

公開に先立ち、飼育を担当する落合晋作学芸員が奄美での生息環境などを解説。夜間、ノネコに襲われたり、観光客の増加などに伴う交通事故に遭ったりして被害が後を絶たない現状も説明し、「地域に住む人や観光客の意識が重要。クロウサギを守れるのは人間だけ」と訴えた。

2匹は屋内施設で特別公開され、家族連れなど約70人が来場した。クロウサギを間近に見た人々は「かわいい」「触ってみたい」などと感想。北海道から帰郷中という藤田祥穂さん(19)は「大学で獣医学を学んでいる。クロウサギの実物を見たのは初めて。生息環境も含めて多くを知ることができた。県内にこんなすごい動物がいることを、みんな誇りにしてほしい」などと話した。


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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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