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もう見られない? 名瀬港=岸壁の見送り・紙テープ、「安全優先」で

船で島を離れる親しい人を岸壁から見送り、互いをつないだ紙テープで別れを惜しむ―。そんな、島の異動シーズンを彩る風物詩が、鹿児島県奄美市の名瀬港では二度と見られないかもしれない。同港を管理する県は新型コロナウイルス感染拡大下の2020年から岸壁からの見送り禁止を継続しており、感染対策の緩和が進む今シーズン以降についても「安全確保が最優先」と事故防止を目的に禁止を続ける方針だ。

船で島を離れる人を岸壁から見送り、互いをつないだ紙テープで別れを惜しむ風景=2011年3月29日、鹿児島県奄美市の名瀬港

同港旅客ターミナルでは3月26日から今月初旬にかけて混雑が予想されている。県は3月24日までに、同港で岸壁から船を見送らないよう、またターミナル施設からの見送りも最少人数とするようホームページで周知。利用客以外の乗船も禁止。期間中は同港観光船バースに臨時駐車場を設ける。

県大島支庁建設課や鹿児島-奄美-沖縄航路で定期船を運航する船会社によると、同港岸壁への関係者以外の立ち入りは関係法令で禁止されている。ただコロナ禍以前は異動時期の慣習ということもあり、県と船会社が連携し特例的に認めていた。一方で船会社側からは事故を懸念する声も高まっていた。

岸壁から見送りできていたコロナ禍以前の経緯について、マリックスラインは「県から要請を受け、船会社が協力していた形」と説明。マルエーフェリーは「出港が暗い夜間ということもあり、コロナ禍以前から禁止すべきか議論はされていた」とした。

県大島支庁建設課の担当者は「風物詩だということは理解している」と話し、岸壁から見送りたい心情を考慮しつつ、昨年12月に鹿児島新港で発生したフォークリフト稼働中の事故(受付検品作業員が死亡)を挙げ、岸壁に立ち入る危険性を指摘。ターミナル施設からの見送りを求めている。

徳之島、沖永良部島、与論島の各港について、船会社2社は紙テープの使用や利用客以外の乗船を禁止するとホームページで周知。岸壁からの見送りについては現場職員の指示に従うよう呼び掛けている。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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