「海底のミステリーサークル」と称されるアマミホシゾラフグの産卵床が鹿児島県奄美大島南部の大島海峡で見つかり、奄美海洋生物研究会の興克樹会長(52)が5月31日に産卵を確認した。興会長は「繁殖が確認されているのは奄美大島の一部だけ。島の宝として関心を持ち、大切に見守ってほしい」と話した。
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アマミホシゾラフグは、奄美大島周辺の海域に生息する体長約10センチの小型のフグ。オスは水深12~30メートルの砂底で直径約2メートルの産卵床を作ることで知られる。シッポウフグ属の新種として、2014年に背中の斑点模様から奄美の夜空にちなんで命名された。15年には生物学の研究者が選ぶ「世界の新種トップ10」に選ばれている。
産卵シーズンは4月から7月にかけて。興会長によると、5月28日に瀬戸内町清水の水深25メートルの砂地で観察を開始し、30日に産卵床の完成を確認。31日午前6時50分ごろに産卵の様子を撮影した。メスの産卵後はオスが外敵から卵を守り、約5日後にふ化するという。
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アマミホシゾラフグは沖縄県でも生息が確認されているが、産卵床は奄美大島の大島海峡と笠利湾でしか見つかっていない。興会長は「地元のダイビング事業者の方々が毎年観察し、自主ルールに基づいたツアーを実施している。世界中からダイバーが訪れるような面白い生き物のことを知ってほしい」と話した。
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