鹿児島県伊仙町の町制施行60周年記念式典が15日、同町総合体育館で開かれた。町内外から約400人が来場。記録映像の上映や功労者表彰などで60年の歩みを振り返ったほか、同町に支社を置くモスク・クリエイション代表の近藤恵一氏と大久保明町長の対談があり、町の将来について意見交換。近藤代表は、徳之島3町の連帯による情報発信などを提言した。
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式典には塩田康一知事、三反園訓衆院議員、保岡宏武衆院議員、奄美群島の首長らが来賓として出席。幼少期を伊仙町で過ごした塩田知事は「伊仙町は長寿と子宝の町。豊かな自然と食、地域全体での子育てなど少子高齢化対策のモデルとなる可能性がある」と祝辞を述べ、町の発展に期待した。
記念論文の発表では、最優秀賞に選ばれた松岡天真さん(大島高校2年)が登壇。「温厚で明るく元気な人が多い」と伊仙町の良さを述べ、「このままの人、自然、情景が今後も続いてほしい。将来は徳之島に帰り、活性化に協力できる人になりたい」と故郷への思いを発表した。
大久保町長と対談した近藤氏が代表を務めるモスク・クリエイション(本社東京都)はデジタルメディアや映像コンテンツ制作などを手掛け、島内ではフリーペーパー「ほっとくの」を発行。近藤氏は「徳之島で見る物、出会う人、食べる物のすべてが感動の域を超えているが、島の人がその魅力に気付いていない」「島内3町がオール徳之島としてつながって情報発信していくことが重要」などと提言。大久保町長は「(同町伊仙にある)泉芳朗氏の銅像を生誕地の上面縄に移設したい。昔ながらの道をたどりながら、泉氏と日本復帰について学べるコースになる」などと構想を述べた。
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会場のサブアリーナでは奄美の日本復帰運動のリーダー・泉芳朗の直筆のメモや手紙、伝説の名牛「実熊牛」の角、町内で発掘されたカムィヤキ陶器│など、町が保管するさまざまな資料が展示されており、22日まで無料で観覧できる。町の担当者は「地域の貴重な資料が一堂に会している。町民はぜひ足を運んでほしい」と来場を呼び掛けた。
功労者表彰では個人54人と2団体へ表彰状が贈られた。
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