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街中に欧米客、何を買う? 国際クルーズ船寄港=商機拡大、課題は外国語対応

欧米諸国などの客600人余りを乗せた豪華客船「セブンシーズ・エクスプローラー」(約5万6千トン)が鹿児島県奄美市名瀬に寄港した6日、にぎわいや経済効果は名瀬市街地の中心商店街にも波及した。クルーズ客は各店を巡り、奄美の特産品や日本らしい生活雑貨、船内で使う日用品などを購入。商品に関する英語での説明が足りず店側、客側ともに戸惑う様子が散見された一方、この寄港に備えた英語の店内掲示や接客で販売促進につなげる店舗もあった。期待されるインバウンド(訪日外国人客)増加に伴う商機拡大へ、各店舗の外国語対応が問われている。

国際クルーズ船寄港に備えて商品紹介文の英語表記を増やした店舗。訪れた欧米客は英語表記の説明を読み、商品を手に取っていた=6日、奄美市名瀬

■街巡り「どれが何の店?」

6日午前10時半ごろ、同船が名瀬港観光船バースに接岸し、米、英、豪、加など英語圏内外のクルーズ客が奄美大島入り。多くが島中北部の観光地へ向かう貸切バスに乗り込んだ一方、港と中心商店街を往復するシャトルバスにも長蛇の列ができた。

商店街のバス乗降場所は観光案内所を併設した交流施設「AiAiひろば」。クルーズ客はバスを降りると通訳スタッフに周辺の店舗情報などを確認し、渡された簡易地図を手に商店街を散策。それぞれ昼食を取りつつ付近の店舗を巡り、滞在1~2時間ほどで港へ戻る人が多かった。

帰りのシャトルバスを待つクルーズ客に話を聞くと「静かで落ち着くね」と商店街の雰囲気に対して好印象。一方、特に物品を買わなかった人が多く「珍しい(そこでしか買えない)商品がどれか分からなかった」「どれが何の店か理解するのが少し難しかった」といった声も聞かれた。

■売れ筋は日本らしい商品

商店街を練り歩くクルーズ客を見ていると、生活雑貨各店で買い物をする姿が目に付いた。店側によると、茶わんや箸、布細工の吊るし飾りなど「日本らしい」商品がよく売れた。本場奄美大島紬関連品の人気も比較的高く、ある商店街関係者は「紬も『キモノ(和装)』として認識されているようだ」と語った。

この日(木曜)が定休日だった専門店「紬のとくやま」は臨時で店を開け、訪れるクルーズ客の対応に奔走した。スタッフは英語での問い掛けに頭を抱えつつ、身振り手振りで商品を紹介。電子決済に伴うやり取りで四苦八苦する場面があったものの、紬小物を中心に売り上げた。

英語での商品説明には多くの店が苦戦。会話が続かないケースは多く、スマートフォンの翻訳アプリを活用するなど工夫する様子も見られた。ある店舗スタッフは「客側が知りたがっているのに、商品の特徴がうまく伝わらずもどかしい」と肩を落とした。

■「奄美ならでは」説明を

「黒糖焼酎は奄美でしか作られていません」。多くの店が英語対応に苦慮する中、地域情報編集・制作会社のしーまが手掛ける商店街の贈り物専門店「okuru amami(オクル アマミ)」では、英会話の得意なスタッフが立ち寄るクルーズ客に声を掛け、商品の魅力を伝えた。

店内では商品紹介文の英語表記を増やし、店先に一部商品の試飲・試食コーナーを開設。会話が弾むとどの商品も着実に売れた。対応したスタッフは「奄美産や奄美製の価値が伝わると買ってもらえる」と確かな手応え。客側も「グッドスタッフ(良い店員)」と笑顔で親指を立てた。

「寿司が食べたい」「侍ジャパン(野球日本代表)グッズが欲しい」│。商店街を訪れたクルーズ客から聞かれた声だ。欧米から見て奄美は日本の一部。「奄美ならでは」への意識はあまり高くないが、その価値を伝える店側の努力は商機拡大につながる。英語で「奄美ならでは」を説明する必要性は高まっている。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

■南海日日新聞:http://www.nankainn.com/

■Instagram:https://www.instagram.com/amami_news/

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