私は旅行や出張で、島から出るために空港に向かっている途中、「奄美のお土産を買うのを忘れていた!」と思ったら迷わず笠利町節田にある味の郷かさりに立ち寄ります。そこには、誰かにあげたい温かみのある素敵なものがあるからです。
●いろんな人で賑わう売り場
味の郷かさりは、奄美大島北部の節田という集落にあります。空港から車でたった4分なので、旅行者も良く立ち寄る場所です。取材に伺った日は休日ということもあり、お店の中はもちろん、外も賑わっていました。
「お店の周辺では近所の子どもたちがよく遊んでいますが、夏は100円のかき氷が人気なんですよ。お年寄りも買い物ついでに涼んでいったり、おしゃべりしたり。賑やかな声がしているというのはいいですね」と味の郷かさりの代表・吉田さんは微笑みます。
店内を見渡すと、地元の子どもたち、家族連れ、年配のご夫婦、カップルなどいろんな人がワイワイと楽しそうに買い物をしていました。
●笠利の野菜を中心に、島内各地の名産も!
お店の真ん中には大きな野菜の棚があり、地元で採れた新鮮な野菜や果物がずらりと並んでいます。また、冷蔵コーナーには奄美の健康飲料ミキや、ジュースもありますし、大島紬の雑貨、お土産にもなる加工品、お菓子やパンなどもあります。屋外には野菜の苗や植木も並んでいます。
「地産地消に取り組んでいます。笠利町の東海岸は農家さんが多く、野菜を出品する農家さんは全部で160人余り。よく出してくれるのは40〜50人でしょうか。搬入時間は自由なので、タイミングによって、皆さんにご提供できる野菜は違います。」と吉田さん。
また、「奄美大島内の商品であれば、販売委託を受けています。地域全体を盛り上げたいですからね」と、生産者にとってもありがたい言葉。訪れる人にも、生産者の方にも開かれた場所だからこそ、たくさんの交流が生まれるのですね。
●おばあちゃんたちが作っていたシンプルな味を後世に
味の郷かさりの人気商品は、かしゃ餅やふな焼きなどの伝統的なお菓子。さっそく食べてみると、吉田さんの「おばあちゃんたちが作っていたシンプルな味を大切にしている」という言葉の通り、どれも素朴で温かみのある味がしました。
奄美の風土や歴史を感じるこのお菓子たちは、旅行者にとっては珍しいものばかりですが、地元のお母さんたちが作るその素朴な味わいは、どこか懐かしさを感じさせてくれるはずです。
地元の人にとっても、今では家庭で作ることが無くなった伝統菓子を気軽に食べることができると、根強い人気があります。特に、もち粉とさつまいもを練った生地を油で揚げたシンプルなお菓子「もち天」は大人気で、午前中には売り切れてしまうことがほとんどだそう。
地元民にも旅行者にも愛されている、味の郷かさりは、生産者と利用者をつなぎ、いつ来てもいいものがあるとお客さんに思ってもらえる場所として、地域に根を張り続けています。
みなさんも機会があったら是非立ち寄ってみてください。きっとリピートしたくなる素敵なものに出会えると思います。
味の郷かさり
〒894-0504 鹿児島県奄美市笠利町節田1717−1
営業 8:30~18:00
電話 0997-63-0771
運営 合同会社味の郷かさり
https://ajinosatokasari.com
観光案内スペースあり
トイレは24時間利用可能