鹿児島県喜界島北部の集落で25日、「シバサシー(柴さし)」があった。家や墓に柴(ススキ)を差し、墓前ではごちそうや果物、酒などをお供えして、先祖祭りをにぎやかに繰り広げた。
喜界町誌によると、シバサシーは旧暦8月最初の丁(ひのと)の日「節折目(シチウンミ)」から五日目の辛(かのと)に行う。悪霊払いの意味があるとされ、この日は柴を家の門の両側と、家屋の四隅に差す。
25日午後2時すぎ、小野津地区の墓地には島内外から出身者や地域住民が墓参りに詰め掛けた。この日は秋晴れ。日よけをしながら、墓前にごちそうをお供えし、親族が宴(うたげ)を楽しんだ。
この日は、仕事も年休などを取って参加する人も多く、早々と下校して参加する子どもたちもいた。前金久集落の女性(86)は「シバサシーの詳しい意味は知らないが、親から『デーやうちもホーはうすな(世代は代わっても慣習はなくすな)』と言われて続けてきた行事。これからも大切にしたい」と話していた。
奄美大島では壬(みずのえ)の26日をシバサシといい、家の四隅にススキを差して魔除けにしたり、八月踊りをする風習がある。
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