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「聞く話す」機会が鍵 沖永良部島=シマムニ継承へ、研究者報告

沖永良部島方言「シマムニ」を研究する日本学術振興会特別研究員で東京外国語大学の横山晶子さんと神田外語大学タイ語語学専任講師の冨岡裕さんは27日夜、同島和泊町の国頭研修館で「しまむに社会調査報告会」を開いた。シマムニは国連教育科学文化機関(ユネスコ)が2009年に消滅の危機にある言語と認定し、島内で記録、継承に向けた取り組みが広がる中、2人はシマムニが衰退した背景や社会変化についての調査・研究成果を報告。方言を聞く、話す機会の増加を継承の鍵に挙げた。

南海日日新聞【写真】研究者2人が沖永良部島方言調査研究の成果を発表した報告会=27日、和泊町国頭

横山さんは10年から、冨岡さんは18年からシマムニ研究を始めた。21年には島民505人にアンケート調査を実施。国頭集落では18~22年に20~90代29人へのインタビュー調査を行った。

横山さんは30代半ばより若い世代で急激に方言の理解度が下がる背景として、「家庭内で親同士が共通語になり、祖父母から本人、親から本人へも共通語の話し掛けとなった」と指摘。一方、家庭内で方言を聞いていた経験に加え、社会の中で方言に触れる機会が増える過程で、大人になってから方言が分かるようになったとする事例も紹介し、「方言を聞き、使う機会をどう増やすか。子どもたちの言語能力を信じ、方言をたくさん話し聞かせることが島の文化を伝えていく一つの方法かと思う」などと話した。

冨岡さんはインタビュー調査を基に、学校、職場での言語の使い分けについて解説。職場では方言を話せない世代でも「高齢者と接する仕事だと方言を耳にする機会も多く、方言を聞いて分かったり、話せたりするようになってきたと感じている人もいる」との結果を示し、「方言を話せない、聞いても分からない世代をいかに取り残さないか。方言を話したいと思っている人はいる。方言を聞く、話す機会があれば理解度が向上する可能性も」と助言した。

会場には島民約40人が来場し、熱心に耳を傾けた。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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