奄美市笠利町の外金久集落(235世帯)で10月8日、豊作を祈願する奄美の稲作行事「種おろし」が行われた。地域住民ら約70人が参加。五穀豊穣(ほうじょう)を願って八月踊りをにぎやかに踊り、親睦を深めた。
かつては集落内を1軒ずつ巡り、夜を徹して踊ったという。同集落では例年13カ所ほどを2日間かけて踊り歩くが、新型コロナウイルス発生以降は、日程を短縮して実施。この日は集落内の新築宅など計3カ所で八月踊りの輪をつくった。
種おろしの八月踊りは午後6時ごろ、「祝い付け」でスタート。男女が歌を掛け合い、チヂン(太鼓)のリズムに合わせて「さんだまけまけ」や「赤木名観音堂」などを次々と踊った。
住民や地元企業などからの花(寄付)がお披露目されると、盛り上がりは最高潮に。老若男女が「六調」や「天草」で活気あふれる踊りを繰り広げ、子どもたちが三味線を演奏する場面もあった。
元気いっぱいに踊っていた小学生は「六調が楽しい」と笑顔。諏訪区長(70)は「コロナ禍で体育行事などが中止となり気持ちが落ち込む中、集落のパワーで盛り上げようと実施した。若い世代の文化の継承にもつながれば」と語った。
『南海日日新聞』LINEニュース配信中
その他のニュースはLINEでチェック!