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ドローン輸送事業開始 瀬戸内町=日用品や医薬品運ぶ 離島の課題解決へ大きな一歩

鹿児島県瀬戸内町と日本航空(JAL)は小型無人飛行機(ドローン)の運航会社「奄美アイランドドローン(AID)」を設立し、29日から輸送サービスの提供を開始した。同町古仁屋と請島、与路島を空路で結び、日用品や医薬品、災害時の救援物資などを運ぶ。民間航空会社と地方自治体が共同でドローン専門会社を設立するのは全国初。鎌田愛人町長は「本町のみならず全国の離島の課題解決に向けた大きな一歩になる」と期待を寄せた。

瀬戸内町は「離島の中の離島」を抱える自治体として、買い物弱者や災害時対応などの課題解決に向け、2020年にJALなど民間企業4社と連携協定を締結。物流サービスの事業化に向けて実証実験を重ねてきた。

AID社は瀬戸内町とJAL(本社東京都、赤坂祐二社長)が共同出資で23年11月30日に設立。同町の登島敏文企画課長を代表取締役に据えた。業務内容は主に町の住民サービスに関するもので、当面の間は国のスマートタウン推進事業を活用し経営する。具体的な出資比率は明らかにしていないが、主となる町が最大1500万円、JALが全体の33%以上としている。

機体はヤマハ発動機の「FAZER(フェーザー)RG G2」を基に運用目的に合わせ、荷物を自動で切り離す機能などを追加した。ガソリンエンジン搭載で、AID社によると、最高時速72キロ、運搬可能重量は最大15キロ、飛行時間は約100分。

機体カメラやGPS位置情報などで遠隔監視しながら既定のルートを飛行し、同町の手安ヘリポートから請島の池地港までの約15キロ、与路港までの約18キロを片道25~30分ほどで結ぶ。

荷物を搭載したAID社のドローン=29日、瀬戸内町古仁屋

当面は月間で池地行き2便、与路行き5便の運航を予定しており、今後需要を探りながら活用方法やスケジュールを調整する。当面はJALからAID社へ操縦者が出向し、地元人材を育成するという。

初日は雨天のため第1便は欠航。第2便の運航時は上空で最大20メートルほどの風が吹いていたが、問題なく池地港へ飛び立ち、医薬品と新聞など約5キロの輸送を完了した。

JALエアモビリティ創造部の村越仁部長は「平時から運用することで災害時にもスムーズに活用できる。ドローン事業が子どもたちに夢を与え、地域活性化にもつながれば」とコメント。登島代表は「町民のインフラとなれるよう努めたい」と述べた。

(左から)鎌田愛人瀬戸内町長とAID社の登島敏文代表取締役、JALエアモビリティ創造部の村越仁部長=29日、瀬戸内町役場

 

南海日日新聞

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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