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「復帰運動が政府の交渉後押し」 エルドリッヂ氏=奄美市で講演、米国の視点交え考察

奄美郷土研究会(森絋道会長)主催の奄美群島日本復帰70周年記念講演会が12月17日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美川商ホール2階研修室であった。元在沖縄米軍海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・D・エルドリッヂ氏が講師となり、米国側の視点や日本政府の交渉内容を交え奄美群島の日本復帰運動について解説。「両国が交渉を進める中で、島民が展開した運動が奄美の復帰を決定付けた」と語った。

米国側の視点も交え奄美の日本復帰運動について解説したロバート・D・エルドリッヂ氏=12月17日、奄美市名瀬

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エルドリッヂ氏は1945年から52年までの米国の対奄美・沖縄政策に関し、▽基地権を獲得できれば琉球諸島の返還を認める立場の米国務省▽海外への排他的・永久的な基地展開を強く求め返還に反対する米軍部│で米国内でも意見が対立していたと指摘。外交権のない当時の日本政府が、ダレス対日講和条約交渉特使を通じて連合国や諸外国と粘り強く交渉してきたことを評価した。

奄美群島の復帰運動については、①組織力があり、致命的な分裂が起こらなかった②住民の圧倒的支持を得ていた③高度に組織化され、国会や法曹界、学会など社会的地位の高い人脈が豊富だった④穏健な指導者⑤行政の中心人物となる県知事が(沖縄と違い)米軍政下になかった│ことなどが奏功したと分析。「住民の声が行動としてはっきりと示されたことが日本政府の要望の裏付けとなり、日本復帰が実現したと言える」と語った。

会場では奄美群島の歴史や文化を後世に残し研究を深めていくことを目的に、奄美大島への大学開設構想も語られた。講演には泉芳朗先生を偲(しの)ぶ会、奄美群島の復帰を伝承する会、奄美国際懇話会も協力し、約70人が参加した。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

■南海日日新聞:http://www.nankainn.com/

■Instagram:https://www.instagram.com/amami_news/

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