鹿児島県奄美大島・大和村の名音八月踊り保存会(國副平剛会長)は4日、豊作と無病息災を祈願する伝統行事「クガツクンチ」(旧暦9月9日)に合わせ、八月踊り用の提灯(ちょうちん)を同村の名音生活館でお披露目した。保存会のメンバーや住民らは新調された提灯を囲み、唄やチジン(太鼓)、ハト(指笛)のリズムに乗せ、踊りを奉納。集落の伝統文化の継承へ決意を新たにした。
同保存会は、2018年から有志が週1回のペースで唄や踊りの練習を重ね、19年には村の文化保存団体に認定された。現在、メンバーは90代から小学生まで約20人。集落における八月踊りの継承のほか、世代間交流の促進を目指している。
提灯は長さ約1・6㍍、鮮やかな赤色。県文化協会の助成金を活用しており、「奄美まつり」への参加を目的に新調された。一般への公開は、ノロ(女性祭司)が集落のテラ(祭祀場)とアシャゲ(神聖な空間)で神事を執り行った後、踊りの奉納とともに行われた。
國副会長(46)は「提灯を囲んで踊る喜びはひとしお。提灯は、次世代につなぐバトンであり、集落の伝統継承のシンボルにしていきたい」と話した。
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