奄美大島中北部の林道で、前足が足袋を履いたように白いアマミノクロウサギが目撃された。奄美市名瀬の高校教諭、福壽辰さん(45)が野生生物の観察中に発見し、撮影した。「最初は初めての発見と思った」と驚いたという。
福壽さんは8月27日午前4時半ごろ、車で林道を走行中、道路脇で草を食べているクロウサギを発見し、「すぐに足が白いのに気が付いた」。そっと近づくと逃げなかったので、持っていたスマートフォンのカメラに収めた。クロウサギは左前足が白く覆われ、右前足も爪の周りが白かった。
アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島の固有種で、国の特別天然記念物。全身が黒い毛で覆われているのが特徴。体の一部が白いクロウサギは、徳之島で「白足袋」と呼ばれる足先の白い個体が知られている。奄美大島でも頭に白いハチマキを巻いたような個体が撮影されるなど、まれにみられるが、原因はよく分かっていない。
福壽さんは2018年4月に県立大島高校へ赴任。同僚に誘われて夜の森を訪れたことをきっかけに、生き物の観察に出掛けるようになった。「本土では見られない珍しい生き物が身近な森にいる。奄美に住めて幸せです」と話した。
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