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唄者の里さん「楽芸員」に ~瀬戸内町立図書館郷土館=奄美の文化継承に取り組む

瀬戸内町立図書館郷土館係にこのほど、同町職員で唄者の里朋樹さん(31)が着任した。資格を持つ「学芸員」に代わり、島唄継承者としての経験を生かしながら奄美文化の保存や普及に取り組む通称「楽芸員」として活動する。里さんは「島のことを島内外の人に楽しく分かりやすく伝えていきたい」と意欲を見せた。

南海日日新聞〔写真〕瀬戸内町図書館郷土館の「楽芸員」になった里朋樹さん=4月27日、同町古仁屋

里さんが島唄を始めたのは7歳のころ。地元のみなと祭りで耳にした島唄の音色に魅了され、唄者の故中野豊成さんに師事し腕を磨いた。奄美民謡大賞では、少年・青年の部で最優秀賞、優秀賞などを計5回受賞。一緒に島唄を始めた妹の歩寿さん(28)と兄妹で数々の舞台を踏んだ。

大学は大阪府に進学。古里を離れても島唄を続け、卒業研究では「島唄の舞台化」をテーマに選んだ。関西を拠点に8年間、歩寿さんとさまざまなイベントに出演し演奏活動を行なった里さん。「人前で歌うのが好き。多くの人に楽しんで聞いてもらい、奄美のことを知ってほしい」と笑顔で語る。

2017年、「島でやるべきことがあるのでは」と帰郷。同町役場に入職した。昨年度まで商工観光課、税務課で勤務。島についてもっと理解を深めようと地域の人の昔話に耳を傾け、通常業務の傍ら、小中学校で島唄や三味線の指導にも取り組んできた。

4月からは教育委員会社会教育課に配属となった里さん。「郷土館係は自分の興味や特技を生かせる仕事」と期待する。「瀬戸内町は50以上の集落がある多様性豊かな地域。まずは文献調査などで知識を増やし、離島を含むいろんな場所を巡って失われそうな島唄や島口などを保存していければ」と意気込んだ。

私生活では阪神タイガースの応援、相撲観戦、お笑い鑑賞、畑づくりなど多趣味な日々を送る。毎日を楽しく過ごすことをモットーとしている里さんは「島の文化についてパッと振られた話題を、聞く人を飽きさせないように面白く話せるようになりたい」と「楽芸員」としての目標も語った。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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