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喜界島の方言“トバトバ”が製品名になった『TOBA TOBA COLA』と『TOBA TOBA ACCE』

2022年3月20日に開催されたあまみハンドメイドマーケットで発表された「第6回あまみハンドメイド大賞」。奄美のハンドメイド作家の発掘・飛躍を目指すこの大賞において、島の魅力を伝えるメッセージ性や、時代にあった革新性などが評価され、見事グランプリに輝いたのはナオコさんとキースさんご夫妻の作品。キースさんの出展した『島仕込みクラフトコーラシロップTOBA TOBA COLA(トバトバコーラ)』と、ナオコさんの出展した『海洋プラスチック資源のアクセサリー TOBA TOBA ACCE(トバトバアクセ)』。いったいどんな作品なのか、作品にかけるお二人の想いや背景などについてご紹介します。

サンゴが隆起してできた喜界島

ご夫妻が暮らす喜界島は、奄美大島から飛行機で約20分の距離にあります。サンゴ礁の隆起によって形成され、今でも年間約2㎜ずつ隆起しているという世界的にも非常に珍しい島です。車で1時間もあればぐるりと回れてしまう島内には、高い山は無く平地が広がっています。自転車や車で勢いよく走りたくなってしまう「シュガーロード」とも呼ばれる見渡す限りのサトウキビ畑が続く一本道は、ドラマやCMなどにも使われています。

また、青く透き通った海と美しいビーチが多数あり、「蝶の島」と言われるほど、「オオゴマダラ」や「アサギマダラ」という羽根を広げると10センチを超える、美しい蝶が飛び交うことでも有名です。

サンゴ礁から成るこの島は、海のミネラルをたっぷり含んだ土壌があり、サトウキビや白ゴマなどの農業が盛んです。中でも白ゴマの生産量は日本一!果樹も多く栽培されており、島内には在来種の島みかんが多く植えられています。

喜界島仕込みのクラフトコーラ

(写真提供:TOBA TOBA COLA)

ご夫妻はシンガポールで出会い、ナオコさんの故郷である喜界島で、きび粗糖、フードロスの在来種島みかんと14種のスパイスを使った無添加クラフトコーラをひとつひとつ手作業で作っています。
クラフトコーラは、スパイスやハーブ、柑橘類などの原材料にこだわった手作りで、今、ブームになるほど注目を集めています。原材料は作り手により異なり、奥の深いドリンクでもあります。

『TOBA TOBA COLA』の製品名となっている “トバトバ”。なんだか響きも可愛くてキャッチーですが、実は喜界島の方言で「うきうき、今にも飛び立ちそうな様子」という意味なのだそう。製品造りにおいては、製品を手に取って下さる方も、作り手の自分たちも「うきうき」できることを一番大切しているそうです。

フードロスの島みかんから生まれたコーラシロップ

お二人が『TOBA TOBA COLA』を製造するきっかけは、結婚報告で喜界島に戻った時に目にした、収穫もされず朽ち果てていく在来種の島みかんを目にしたこと。キースさんの父親が呟いた「もったいないなあ」の声に、これまで気にしていなかった「フードロスとなっている島みかん」の存在に改めて気づかされました。

以前から「島のために何かしたい、何ができるだろう」と考えていたお二人ですが、この島みかんを使用し、シンガポール時代に愛飲していたハーバルドリンクを真似てシロップを作ったのがクラフトコーラ作りの始まりです。

(写真提供:TOBA TOBA COLA)

キースさんがレシピを考案しましたが、島みかんが持つ爽やかな酸味と、きび粗糖のコクのある風味をどうやってバランスよく活かしたら良いかに頭を悩ませたそう。また、一般の人にとってはなじみの無いスパイスを使用するため、すべての年代の方が楽しめるまろやかな味に仕上げるようにスパイスの調合と抽出法にもこだわりました。

何度も試行錯誤を重ね、製品として納得がいくものができあがったのが約1年後。お二人の想いとこうした工程を経て、喜界島ならではの産物と自然由来のスパイスの味わいが楽しめるボタニカルなクラフトコーラが誕生しました。

海洋プラスチック資源をアップサイクルした、唯一無二のアクセサリー

(写真提供:TOBA TOBA ACCE)

『TOBA TOBA COLA』は、フードロスの島みかんをどうにかしたいという想いから始まりましたが、一方、世界的に問題となっている「海洋プラスチックゴミ」を資源としてどうにかしたいという想いから生まれたアクセサリーがナオコさんの作る『TOBA TOBA ACCE』です。

クラフトコーラを作るようになってから、仕事終わりにビーチに夕日を見に行く機会が増えたお二人。美しい喜界島のビーチにもやはり海洋ゴミはありますが、ナオコさんは行くたびにその海洋ゴミを拾い、2021年1月頃から、少しずつアクセサリー製作を開始しました。ですが、海洋プラスチックの取り扱い方に難しさを感じたそう。細かくペレット状にし、色を混ぜて板状にし、樹脂で包み込むといった工程を経て作られるアクセサリーですが、作る過程で海洋生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックを更に生み出してしまうことのないよう慎重に扱っているそうです。

『TOBA TOBA COLA』も含め、クリエイティブ面を全て担当しているナオコさんですが、『TOBA TOBA ACCE』については、海洋プラスチック資源をアップサイクルする意図を言語化することが非常に難しかったのだそう。アップサイクルできる量には限りがあり、時間をかけてもほんの少ししか作れないのに「なぜ、アクセサリーを作るのか?」ということを、自分の中でしっかりとアウトプットする時間を必要としたそうです。

こうして生まれた海洋プラスチック資源のアクセサリーは、色も形もひとつとして同じものが無い、世界にひとつだけのアクセサリー。クラフトコーラ製造時に出る資源もアクセサリー作りに使用したり、ラッピングもエコにこだわったり、売り上げの一部は海を守るための活動に使用するなど、SDGsにつながる取り組みを行っています。

(写真提供:TOBA TOBA COLA)

スタイリッシュなデザインや、目を惹く写真や心に響く文章、本来のクラフトコーラの美味しさや、唯一無二のアクセサリーが持つ魅力。『TOBA TOBA COLA』と『TOBA TOBA ACCE』は、その世界観も含め、「離島である喜界島を五感で知ってもらいたい」というお二人の想いに共感する多くの方々に支えられ、手に取っていただいた方や商品を愛する方々を今日も「トバトバ(うきうき)」させています。

TOBA TOBA COLA
https://tobatoba.jp/

TOBA TOBA ACCE
https://tobatobaacce.stores.jp/

㈱しーま 編集部ライター nanarl

投稿者の記事一覧

奄美の自然に魅了され、野鳥好き外国人夫と息子の3人家族で神奈川県から2020年にIターン。
小学生の好奇心旺盛な息子が、伸び伸びと育っていける環境の良さも奄美の魅力。
シマ生活にも慣れてきて、車であちこち回るのが楽しい。島野菜やフルーツの美味しさに日々感動。

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