国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊」が旧暦10月15日に当たる11月29日、鹿児島県与論町の地主(とこぬし)神社境内で奉納された。今月上旬に確認された新型コロナウイルス感染症2例目のクラスター(感染者集団)発生後、初の祭り。関係者らで時間を短縮して行い、島の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
言い伝えによると、与論十五夜踊は1561(永禄4)年、与論領主が島民慰安のために創(つく)らせたのが始まりとされる。踊りは1番組と2番組で構成され、室町時代の狂言風の舞踊や、琉球風の舞踊が見られる。毎年旧暦3、8、10月の各15日に奉納される。
この日は、踊り手合同の「雨賜(あみたぼ)り」の後、「一度いふて」(二番組)と「三者囃子(さんばすう)」(一番組)を交互に踊り、奉納した。
祭主の山元宗町長はあいさつで「今年、島では新型コロナのクラスターが2回発生し大変な影響を受けたが、こうして十五夜踊ができることを心より喜び感謝したい。島中安穏、五穀豊穣を祈り、疫病を退散させるその意において、踊りによって新型コロナが退散し、ますますわが島が発展していくように、心を一つに皆で頑張っていきたい」と力を込めた。
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