野外で聞こえる身近な音に親しむ「音の自然観察会」(ソニーグループ、放課後NPOアフタースクール共催)が16日、鹿児島県奄美市名瀬の小宿地区であった。小学1~4年の児童15人が参加し、自然の中で耳に届くいろいろな音を思い思いにICレコーダーで採集。音を通して自然と触れ合い、創造性や好奇心を育んだ。
教育格差の解消に向けて自然やロボットなど8分野で両団体が提供する「感動体験プログラム」に、奄美市名瀬で子どもの居場所を提供する「くっかるこどものおうち(越間聡美所長)」が応募し実現。生物多様性保全でソニーと連携する公益財団法人日本自然保護協会(東京都)と奄美市名瀬の同協会自然観察指導員町ゆかりさん(56)が協力した。
子どもたちは、くっかるの施設内でソニーの勝田淳二さん(49)から音が伝わる仕組みを教わった後、外に出て聞こえた音を絵や文字で表現するサウンドマップを作成。音の聞き方を学び、砂利道や川辺の道を約30分間注意深く散策。レコーダーのマイクを気になった音源に向けて「川の水の音です」などと説明しながら多くの音を集めた。
録音後はそれぞれが一番お気に入りの音を選び、再生して共有。木で水を混ぜる音や、落ち葉を踏む音など多様な音を共有し「いい音」「やわらかい音」などと感想を伝えた。
18個の音を録音し、滝の音を選んだ奄美市立名瀬小学校の児童は「(滝の音は)海みたいな感じがした。録音は初めてだったけど楽しかった」と感想。9個の音を録音し、石で石をたたく音を選んだ同市立大川小学校の児童は「中くらいの石で大きい石をたたいて、その音が良かった」と笑顔を見せた。