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「諸鈍シバヤ」4年ぶり開催 瀬戸内町加計呂麻島=紙面、躍動の舞い

旧暦9月9日に当たる10月23日、鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の諸鈍集落にある大屯(おおちょん)神社境内で、国指定の重要無形民俗文化財「諸鈍シバヤ」が奉納された。新型コロナウイルスの影響により4年ぶりの開催。多くの見物客が見守る中、紙面(カビディラ)姿の男衆らがユーモラスな芝居を披露した。

棒踊り「スクテングヮ」で紙吹雪を散らせて華やかに舞う演者ら=10月23日、瀬戸内町諸鈍

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諸鈍シバヤは、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人が広めたという伝承があり、平資盛を祭る同神社で毎年奉納。演目はかつて20種余りあったとされており、現在は諸鈍シバヤ保存会により11演目が継承されている。

午後1時半ごろ、集落の浜でみそぎを終えた演者らが楽屋入り。山高帽をかぶった翁(おきな)による口上を皮切りに、8人の踊り手による「ククワ節」や獅子退治をユーモラスに演じる「シシキリ」、棒踊り「スクテングヮ」などが続いた。諸鈍小中学校の児童生徒や教員らによる演目もあった。

最後は大太鼓を使った「タカキ山」。躍動感あふれる華やかな踊りで豊作を祈願した。大人たちに加わり踊り手として出演した諸鈍中学校の生徒は「小さい頃から踊ってきたが、大人の演目に出るのは初めて。いい経験になった。(高校進学後も)シバヤの時は帰ってきたい」と話した。

同集落出身で、奈良県から10年ぶりに帰省したという松実タク子さん(75)は「なつかしくて涙が出た。久しぶりに見られてうれしい」と目を細めた。

新型コロナ禍では、感染防止のため練習も中断。保存会によると、高齢化などにより演者は年々減少しており、この日は諸鈍出身で加計呂麻島外に住む経験者らも出演した。また、今年からは中学生以上が大人と一緒に舞台を踏めるよう決まりを変更したという。

吉川久也会長(51)は「国指定ということを気負わず、昔からの集落行事として地域で受け継いでいきたい。シバヤの素朴さを残していければ」と語った。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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