茶道裏千家淡交会奄美大島支所(有村修一支所長、会員50人)は21日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美川商ホールの茶室で「紬茶会」を開いた。地元の工芸品や茶菓子など「奄美づくし」のもてなしで来客を歓迎し、大島紬をまとった会員や招待客は心穏やかなひとときを楽しんだ。
伝統産業である本場奄美大島紬の着用機会を作り、産業を支援しようと毎年開催する茶会。今年は4席を設け、会場では能登半島地震被災地への募金協力も呼び掛けられた。
会場には「一期一会」の掛け軸が飾られ、瀬戸内町清水焼の花器に添えられたハンゲショウやザクロなど季節の草花が来客を迎えた。茶碗には「野茶坊(やちゃぼう)焼き」など地元の工芸品を用い、地元菓子店の「赤土(あかつち)まんじゅう」を茶菓子に振る舞った。
茶事を主催する亭主らは袱紗(ふくさ)にも大島紬を使用。「奄美には素晴らしいものがたくさんある。昔の人たちが残した大事なものを忘れずに、今一度奄美の良さを見詰めて、楽しい奄美にしていけたら」と来客をもてなし、参加者は思い思いに茶碗をめで、一服を楽しんだ。
同支所の高野宗香幹事長は「新型コロナウイルスによる行動制限などもなくなり、着用の機会も少し増えているように思う。今後も紬を着用し楽しめる場を作っていけたら」と話した。