昨年夏、世界自然遺産に登録された鹿児島県奄美大島の瀬戸内町で8月26日、町主催の2022年度「第1回こども世界自然遺産講座」があった。町内の小学4年生~中学2年生10人が受講し、奄美の自然を地域全体で守っていく世界遺産登録の意義や、身近に生息する希少な生き物の保護の重要性などについて理解を深めた。
町教育委員会が18年度に始め、昨年度から町水産振興課に主催をバトンタッチ。昨年度は新型コロナウイルスの影響で中止となり、今年度は2回開催の予定。講座は奄美、沖縄の世界自然遺産登録に興味を持ち、自ら考え行動できる児童・生徒を育成することが目的。
講座は同町古仁屋にあるきゅら島交流館で開かれ、環境省奄美野生生物保護センターのアクティブレンジャー白石大晴さん(20)が世界自然遺産について、奄美海洋生物研究会の木元侑菜さん(31)が奄美の身近な生き物についてそれぞれ解説した。
白石さんは世界自然遺産登録の定義を説明した上で奄美の自然の多様さや固有種を紹介し、ロードキル(交通事故死)などの問題についても言及。「島全体が動植物の大切なすみかになっている。奄美の宝を協力して守っていきましょう」と語り掛けた。
木元さんは「生き物を友だちと思うことが守ることにつながる」と強調し、写真や動画も用いて、奄美大島に生息する生き物をユーモラスに説明。参加者は、実際にリュウキュウカジカガエルが周囲の環境によって体の色を変える様子を観察したり、奄美群島に生息する無毒の蛇アカマタの持ち方を学んだりした。
同町古仁屋の女子児童(10)は「アカマタは思ったよりも柔らかかった。学んだことを生かして動物や自然を守っていけるように意識したい」と目を輝かせた。
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