奄美海洋生物研究会(興克樹会長)主催のウミガメミーティングが6月16日夜、鹿児島県奄美大島・龍郷町安木屋場(あんきゃば)の渡連(どれん)キャンプ場であった。町内外の親子連れなど約80人が参加し、奄美大島で主に見られるアカウミガメ、アオウミガメの生態や上陸・産卵状況などを学んだ。近くの海岸で実際に上陸したウミガメの足跡を観察し、自然の豊かさを再確認した。
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ミーティングはウミガメの産卵環境の保全を目的に、奄美大島各地で実施。上陸・産卵に関する調査報告や観察会を展開している。渡連キャンプ場での対面開催は新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。
興会長は近年上陸や産卵確認数が減少しているアカウミガメについて、北太平洋では日本が唯一の産卵地であることや、奄美大島で産卵した個体が東シナ海の大陸棚を主な餌場にしていることなどを説明。漁業が盛んな同海域での混獲死や中国で発生した大規模な密猟などの影響を示し、「保護と両立できるような漁業の在り方が問われている」と述べた。
会場近くの安木屋場海岸は昔からウミガメの産卵地として知られ、キャンプ場前経営者の故荒田利光さんが長年上陸状況や気象条件などの記録、観察マナー向上のための呼び掛けなどを行っていた。現在はガイドの奥田大介さんがキャンプ場管理と記録を引き継いでいる。奥田さんによると、今シーズンは5月1日から6月16日までに17回の上陸を確認した。産卵の記録はキャンプ場ホームページで公開している。
参加者は上陸したカメの足跡の見分け方や、観察する際の注意事項を学んだ後、ウミガメへの刺激が少ない赤色ライトを手に海岸を散策。産卵場所の観察中、ウミガメの卵を狙うアカマタや生まれたばかりの子ガメを捕食するというツノメガニも見られた。
奄美市名瀬から親子で参加した名瀬小2年の男子児童(7)は「ウミガメが大好きで、一緒に泳いだこともある。ヘビが卵を食べると聞いて驚いた」。母親(41)は「夏休みには産卵を見に訪れたい」と話した。
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