【特集】世界自然遺産登録を目指して

多様な生き物の宝庫、マングローブの森 奄美市住用町

奄美自然紀行

鹿児島県奄美大島中南部、住用湾の奥に広がるマングローブの森。国内では沖縄・西表島に次いで2番目に広い70ヘクタール超に及び、奄美群島国立公園の特別保護地区。亜熱帯照葉樹の山に降る雨が、川からサンゴ礁の海へ流れ出す中継点。多様な生き物が暮らす生命の宝庫の森を訪ねた。

1日朝、奄美市住用町の国道58号からマングローブの森を望み、役勝川に架かる越次橋を渡って同町山間方面へ向かった。県道山間役勝線沿いのビロウの木の間の小道から浜へ。水際に並ぶマングローブの木々が見えてきた。

マングローブは海水と淡水が混ざり合う場所に生える植物の総称。奄美大島で主に見られるのは、丸い葉っぱと板状の根(板根)を持つメヒルギと、とがった大きな葉と膝を曲げたような根(膝根)を持つオヒルギの2種類。どちらも独特の細長い形の種が木からぶら下がっていた。

浜辺では、ナンテンカズラの鮮やかな黄色い花や、長いおしべとめしべが特徴的なイボタクサギの小さな白い花が見頃を迎えていた。

足元を見ると、泥の上にぶつぶつとした不思議な模様がたくさん浮き出ていた。

「カニがはさみで砂をすくって餌を食べた後に、吐き出した砂団子。たくさんのカニがすんでいる証拠です」。奄美市立奄美博物館職員の平城達哉さん(28)が説明してくれた。

干潟には白い大きなはさみを持つオキナワハクセンシオマネキや、水際を大群で移動するミナミコメツキガニなどさまざまなカニがすんでいる。潮が引いた干潟で静かに待っていると、地中に隠れていたカニたちがはい出し、活動し始める。

マングローブにすむカニや貝などは、森から流れ込んだ栄養分を食べて、水を浄化して海に届ける役割を担う。豊富な餌を求めて、魚や鳥たちも集まる。豊かな生態系を育むマングローブは「生命のゆりかご」ともいわれる。

平城さんは「マングローブならではの生き物が多い。はだしで干潟を歩いて生き物を探すのも楽しいですね」と笑顔を見せた。

潮の干満によって表情を変えるマングローブの森。6日から9日は大潮。午後の干潮時には、広大な干潟で命の営みを繰り広げる生き物たちに出合えそうだ。

南海日日新聞〔写真〕国道58号から望むマングローブの森=1日、奄美市住用町

南海日日新聞〔写真〕国道58号から望むマングローブの森=1日、奄美市住用町


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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

■南海日日新聞:http://www.nankainn.com/

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