鹿児島県瀬戸内町の大島海峡でコブシメが産卵のピークを迎えている。雄に見守られながら、雌はサンゴの奥に直径約2・5センチの乳白色の卵を一つずつ産み付け、命のバトンをつないでいる。
コウイカの仲間で、胴体の長さ50センチ以上、体重12キロにもなる大型のイカ。国内では奄美や沖縄など暖かいサンゴ礁の海域に生息している。晩秋から春にかけて産卵する。郷土料理のイカ墨汁などに使われ、漁港などで釣りを楽しむ人も多い。
4月27日正午ごろ、同町加計呂麻島沖で奄美海洋生物研究会の興克樹会長が産卵中のコブシメを撮影した。周辺海域では2000年代初め頃、大発生したオニヒトデの駆除活動が行われ、サンゴ群落が残った。興会長は「サンゴを守ることで、多様な生き物の保全につながる」と力を込めた。
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