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奄美の海でワイン熟成 東京のPR会社=大島海峡に500本、新たな価値創造

ワインボトルを海に沈めて保存する海底熟成ワインセラー事業が鹿児島県瀬戸内町で始まり、1月30日に同町清水沖で海底設置作業が行われた。事業は東京都のPR会社「ⅢThree(アイスリー)」(森谷悠以代表取締役)が運営し、昨年の実証実験を経て今年から生産を開始。奄美の豊かな海を生かして新たな価値を創出するとともに、地域の観光活性化や海洋環境の保全などにもつなげたい考えだ。

ワインボトルを海に沈める作業を行う瀬戸内町漁協組合員ら=1月30日、瀬戸内町清水

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海底熟成は、近年欧米を中心に人気が高まっている手法。科学的に解明されていないものの、水圧や潮流などの影響で通常より熟成が進み、まろやかな味わいになるとされている。

加計呂麻島と奄美大島に挟まれた大島海峡は海流が比較的穏やかで海底熟成に適した環境。実証実験の結果を踏まえ、専門家と温暖な奄美の水温に合うワインの選定を進めた。

海洋資源を守るため、ワインセラーを藻場としても活用できるよう独自設計。ボトルを収納する外枠の蓋部分に海藻が着生しやすいデザインを施した。

この日の作業には、瀬戸内町漁協の組合員など6人が協力。水深約20メートル地点の砂地に、専用のロウで密閉した3種類のワイン約500本を設置した。

海底に設置されたワインセラー=1月30日、瀬戸内町清水(アイスリー提供)

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今回沈めたワインは海底で約半年間保存。4~5月ごろに予約販売を開始し、7月からは同社が同町清水で運営する飲食店「tlass SEA CELLAR BAR Beach Club(トラス・シーセラーバー・ビーチクラブ)」でも提供する。将来的には、客から預かったボトルを海底で貯蔵するワインセラーサービスを中心に展開する計画。

森谷代表は「(海底熟成による)変化を楽しんでもらいたい。瀬戸内町の海洋資源を生かし、地元の人たちと観光客が共存する事業にしていけたら」と意気込んだ。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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