島の文化を知るヘリテージキャンプが1月27、28の両日=、鹿児島県沖永良部島であった。島在住や出身の中高生13人が参加。タイ少数民族の文化継承などに取り組む若手リーダー2人と国内外の研究者が同行して島の史跡や文化体験施設を巡り、国際的な視野でその価値を再認識していた。
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島のボランティア団体「あしまなの木」が主催。日本学術振興会の科学研究費助成事業を活用して初開催した。初日は和泊町歴史民俗資料館の先田光演さんと伊地知裕仁さんを講師に事前学習の後、島内の地下を流れる川「暗川(クラゴー)」、自然洞穴やそれを掘り込んで造られた古墓「トゥール墓」などを巡った。
最終日は沖永良部芭蕉布工房長谷川(知名町)でミサンガ作り、まごころ製糖(和泊町)で黒糖作り、海岸でビーチクリーンなどを体験。最後は参加者一人一人がシマムニ(沖永良部島方言)と英語を交え▽5年後、10年後の島はどうなってほしいか▽自分に何ができるか―を発表した。
三島結佳さん(16)=沖永良部高1年=は「ファッションが好きなので芭蕉布に興味が湧いた。5年後、10年後には芭蕉布を知りたい、良さを広めたいという人があふれかえる世の中になってほしい。私たち島民にしか伝えられない島の良さを伝えていきたい」、名越美翔さん(17)=樟南高2年=は「このキャンプを通してタイの人と話し、文化を知ることができて面白かったので、島を出て行った人が帰って来たいと思える島、いろんな国の人が共存できる島になってほしいと思う」と話した。
発表会後、タイ・タイバーン族のカンヤウィーさん(27)は「海外で文化交流する機会はめったになく、参加でき光栄。芭蕉布は自分の地域の文化に応用できるのではと考えるきっかけにもなった」、黒タイ族のベンチャポーンさん(26)は「若者たちが地元の言語、文化、歴史を守って伝えていきたいと思うようになったのを聞いて非常にうれしく感じた」と感想を話した。
マヒドン大学のスミットラ准教授は「自分自身が好きな事をする、好きな事をして得た楽しさ、うれしさを他の人と共有するのは大事。古いものを残すのも新しいものを取り入れるのも大事で、バランスを取れるのは島の皆さん自身」と助言した。
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