奄美市が提唱する「紬の日」の1月5日、本場奄美大島紬PRイベント「第46回紬の日のつどい」(実行委員会主催)が同市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)を主会場に開催された。関係者ら約150人が紬姿で中心商店街周辺を練り歩いた後、主会場で紬に親しむ多彩な催しを展開。奄美伝統の装いで正月を祝い、楽しんだ。
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「紬の日」は紬の振興による豊かなまちづくりを推進し、市民に紬の良さを再認識してもらうことを目的に、旧名瀬市時代の1978年制定。伝統工芸品を後世に伝える機会として、イベントを実施している。
イベントは、主会場を発着点に商店街周辺を練り歩く「紬大行進」で開幕。本場奄美大島紬協同組合が昨年認定した紬美人3人らを先頭に列を成し、およそ1キロを歩いた。奄美ならではの華やかさが街中に広がり、沿道の店舗関係者や住民らも笑顔で見守った。
大行進を終えた後、実行委員会長の安田壮平奄美市長は「松の内を紬姿で飾ることができ、改めて伝統を誇りに思う」、本場奄美大島紬協同組合の黒田康則理事長は「業界の発展につなげたい」とそれぞれあいさつ。続いて、業界の課題解決に取り組む若手組織「本場奄美大島紬NEXTプロジェクト」が紹介された。
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主会場は屋内ホールで紬ファッションショーやお楽しみ抽選会、八月踊り・六調といったステージプログラムに盛り上がった。紬製品の展示販売や各種体験もあり、来場者は実物に触れながらその精巧な柄や触り心地、製造技術など紬独特の魅力に理解を深めた。
さらにこの日は、商店街各店で紬着用者を対象とした商品値下げなど特典を用意。実行委も2月5日までの期間中、紬を取り上げたSNS(インターネット交流サイト)投稿者に抽選で特産品をプレゼントする企画を行い、紬に関連した情報発信を図っている。
本場奄美大島紬を巡っては、生産反数が1985年から年々減少し、2023年は最盛期の1%を下回る2710反にとどまった。製造各工程の職人高齢化に伴う人材不足が厳しさを増し、後継育成や待遇改善などが課題となっている。
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