鹿児島県喜界町(喜界島)で9月1日朝、子どもの成長を祈願する「シチャミ」(節浴)が行われた。塩道(しゅみち)集落の大塚菅子さん(89)宅では6歳になるひ孫のシチャミがあり、親族が水をつけたススキ葉で心翔君の頭を3回なで「フデーリ(大きくなれ)」と唱えながら、健やかな成長を願った。
喜界町誌によると、シチャミは旧暦8月初丁(ひのと)の日に行われる伝統儀礼。奄美大島の旧暦8月初丙(ひのえ)の「アラセツ」に相当し、かつては農耕儀礼や祖霊祭など8月行事の始めの日だった。
シチアミ、シチとも呼び、喜界島全域で見られたが、行う家庭は年々、少なくなっている。塩道集落では数えの7歳までシチャミを毎年行い、その後は数えの10歳の「トゥシチャミ」で締めくくる。
母親の咲也香さんは「私も母や祖母にやってもらい、妹たちや子どもたちにもやってきた。わが家でシチャミをするのは最後なので少し寂しい気もするが、将来は孫にもしてあげたい」と語った。
頭をなでたススキ葉は魔除けとして結んで軒先に挿すという。
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