奄美大島・龍郷町戸口の海辺に位置する「放浪館」は、アート作品と書物を一緒に楽しむことができる児童向けの自由図書館です。
戸口出身のオーナーが子どもたちのために自宅の敷地内に作ったこの自由図書館では、所蔵されている児童向けの本や漫画約5,000冊を自由に読むことができたり、大きなスクリーンに映してDVDを観ることもできます。
天井が高く開放感のある館内でひと際目を引くのは、作家や脚本家として活躍する大宮エリーさんが手がけた壁画です。天井近くまで描かれた大きなヒカゲヘゴなど、まるで奄美の自然の中にかこまれているような感じがします。
館内だけでなく、外にも世界的なアーティストが手掛けた絵や陶芸作品などが自然と融合する形で展示されており、子どもたちが気軽にアートに親しめるようになっています。
ロケーションも最高で、窓から見える海は、まるで一枚の絵画のよう。
子どもだけでなく大人もゆったりとした時間が楽しめる、そんな素敵な場所です。
充実した内容の月ごとに代わるワークショップ
そんな放浪館では「放浪館志塾」と題し、1年間を通したワークショップを展開しています。
塾生となった子供たちが、奄美の自然や文化、英語での異文化交流やアートを通して、ムズラシャ(ワクワク)を体験できるようにと考えられたプログラムです。
参加できるのは奄美大島に住む小学4年生から6年生。志塾を運営する6人のスタッフのほか、テーマに沿ったゲスト講師を迎え、子供たちが仲間と協力しながら挑戦したり、自分たちで考えたことを発表したり、作品を作ったりとバラエティに富んだ内容です。
ワークショップは、自然観察やクッキング、サマーキャンプ、クイズ作りや、3分間の自己表現など様々。しかもこんなに盛りだくさんなのに「放浪館志塾」への参加は無料!
一度塾生になると小学校6年生までは更新することができるため、長い子は3年間塾生でいることができます。6年生が卒業してしまうので、毎年新規塾生の募集が行われます。
みんなで協力してミッションクリアをクリア!
2021年度の志塾のオリエンテーションが4月25日に開催されましたが、今年は19人の塾生が参加しました。
今年は、我が家の息子がめでたく塾生に選ばれたため、私もオリエンテーションに行ってきました。
まず、志塾を運営する6人のスタッフの紹介から始まり、今年1年間に開催予定のワークショップの説明が行われました。森探検やしまじゅーりクッキング、放浪館にみんなで寝泊まりする2日間のサマースクールや、奄美の伝統的な八月踊り、島口で歌う奄美J-POPなど楽しいプログラムが盛りだくさん!
オリエンテーションの後は、グループミッションです。配られた用紙に書いてある6つのミッションをクリアするため、館内と外を探索します。
中には英語を使ってコミュニケーションを図るゲームも!
方言いくつ分かるかな?島口かるたで大盛り上がり
ミッションをクリアしたら、お次は島口かるたです。島口とは奄美の方言のこと。
自分たちは島口を使えなくても、おじいちゃんおばあちゃんがいる子たちは、聞きなれているようで、「ほら、あそこにあるよ」と、移住してきて1年半弱の息子に手助けをしてくれました。
1年間を通したワークショップで培われる仲間意識と自己表現力
年齢も学校も住む集落も違う子供たちですが、どのワークショップもグループで行われることが多いので、回を重ねるごとに自然と仲間意識が高まっていくだろうと感じました。
また、自分たちの考えや作品を発表する機会が設けられているので、恥ずかしがり屋の子もしっかりと自分を表現できるようになっていくのではと思いました。
志塾で使うエコバッグをもらった子供たちは、みんなと見分けがつくようにカスタマイズ。色を塗る子、好きな絵を描く子、持ち手を塗る子と様々ですが、それぞれ素敵なバッグに仕上がっていました。
塾生たちはワークショップが終わっても、思い思いに本を読んだりして放浪館でゆったりと過ごしていました。
「放浪館志塾」が楽しすぎて、次回のワークショップを心待ちにしている息子。
ワークショップを通じて奄美の良さが感じられるこんな素敵なプロジェクトに参加することができて、本当に良かったと思っています。
「放浪館志塾」の塾生は、毎年募集しているので、小学校4年生以上のお子さんがいる家庭はぜひ来年の参加を検討してみてはいかがでしょうか?
また、放浪館は開館日であれば誰でも利用できますので、素敵な空間を体験しにぜひ遊びに行ってみてください。
- 放浪館(ほうろうかん)
- 〒894-0107
鹿児島県大島郡龍郷町戸口343-24 - 開館日:
月・水曜日 午後2時から午後6時まで
土・日曜日 午後1時から午後6時まで - 休館日:火・木・金曜日
- https://www.horokan.com/