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新たな一歩、踏み出す 奄美群島=中学生1038人が卒業、門出祝福

鹿児島県奄美群島の中学校と小中併設校で12日、2023年度卒業式が行われた。県大島教育事務所によると、大島地区の中学校の卒業生は1038人(2月9日現在)。卒業生がゼロの中学校は奄美市の住用、宇検村の久志、名柄の3校で、卒業生が1人の中学校は宇検村の阿室、瀬戸内町の池地、油井、徳之島町の尾母、手々の5校だった。各校では、9年間の義務教育を終えた生徒たちの門出を祝福した。

◆地元の生徒ら巣立つ 与路小中

瀬戸内町の与路小中学校(川井功作校長)では、地元の生徒2人と海の子留学生の児童1人が卒業を迎えた。式典には在校生1人と教職員のほか、保護者や地域住民ら21人が出席し、新たな一歩を踏み出す卒業生たちを見守った。

第76回中学校卒業式と第145回小学校卒業式は同校体育館で実施。幼い頃から与路島で育ってきた福井李央さんと幸本美優さん、大阪府出身で23年度から同校に通っている参河駿君が川井校長から卒業証書を受け取った。同校では新年度、地元で育った児童生徒が不在となる。幸本さんと福井さんは、涙を浮かべながら学校や地域、留学生たちへの思いや感謝の気持ちを述べた。

高校進学のため卒業後は島を離れる2人。幸本さんは「留学生のおかげで楽しい学校生活を送ることができた。自分の夢の実現のために勉強していきたい。育ててくれた島の人たちに感謝している」、福井さんは「たくさんの思い出ができた。島での15年間の生活は忘れない。成長して戻って来るのが楽しみ。与路小中学校がいつまでも続いてほしい」とそれぞれ語った。

3年間担任を務めた吉村友里教諭(37)は「リーダーシップがあり、しっかりしている2人。これからは新しい世界に飛び込んで、変化を楽しみながら成長していってほしい」と期待した。

参河君は来年度も同校に通う予定。「次は中学生として与路小中学校でたくさんのことを学びたい」と語った。

与路島では、2015年度から化粧品会社のノエビアホールディングスが里親方式の「海の子留学」を展開してきたが、今回、地元の生徒2人が卒業するのを機に事業から撤退する。今後は町が運営を引き継ぐ計画。来年度の与路小中学校の児童生徒は留学生のみとなる見込み。

在校児童から花束を受け取る与路小中学校の卒業生たち=12日(提供写真)

南海日日新聞

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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