鹿児島県奄美大島・大和村戸円の海岸に巨大な金属片が打ち上げられているのが10日までに見つかった。村が11日に回収し、現在は保管中。村職員や関係者らは「ロケットの一部のように見えるが、正体は不明」と話し、首をかしげるばかり。村は関係機関に情報提供を呼び掛けている。
漂着物は長さ約3メートル、幅約2メートル、厚さ約35ミリ。湾曲した板状で、ハチの巣状のハニカム素材を金属板で挟んだ構造になっている。文字や数字は書かれておらず、表面の一部は黒く変色。ところどころにさびが見られるが、貝などの付着物はない。
同村戸円のヒエン浜を訪れた人が10日に金属片を見つけ、奄美海上保安部を通じて村へ連絡した。村職員によると、近隣住民は3月下旬ごろには漂着を確認していた。
奄美大島では2021年5月、奄美市住用町の青久海岸に南種子町種子島宇宙センターから打ち上げられたロケットの一部とみられる金属片が漂着している。
今回の金属片についても、形状などから「ロケットのフェアリング(人工衛星保護用のカバー)ではないか」などと推測する声があり、大和村はロケットを製造する企業などへの問い合わせなどを含め情報収集を行っているが、11日時点で漂着物の正体は分かっていない。
村担当者は「冬場は近隣諸国のものを含む大量のごみが海岸に流れ着く。持ち主が分からなければそういった漂着ごみと同様に廃棄になると思うが、いつまで保管するべきか……」と頭を悩ませている。
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