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公民館で手作り結婚式 住用町城・才さん夫妻=「縁つなぐ場」で住民祝福 

鹿児島県奄美市住用町城(ぐすく)に、集落の公民館で地域の人々の協力も得ながら「手作り」の結婚式を開いたカップルがいる。1年前に同市名瀬から移住してきた才将一さん(45)とあゆみさん(47)。式が行われた今月1日は2人を祝うために多くの友人や地域の人々が集い、人口99人の過疎化が進む小さな集落はにぎやかな雰囲気に包まれた。

紅白の幕が飾られ、大勢の人々に祝福される才将一さんとあゆみさん(正面奥左から)=3月1日、奄美市住用町城

新郎将一さんは同市名瀬にある介護老人保健施設「虹の丘」の調理師で、新婦あゆみさんは県立大島病院の看護師。昨年の3月1日に入籍し、城集落の空き家に移住し新婚生活をスタートさせた。

ところが、結婚後にあゆみさんが体調を崩し、次第に悪化。難病にかかっていることが判明し、入院を余儀なくされた。一時は死も覚悟したというあゆみさん。退院できることになり、当初は考えていなかった結婚式を「ぜひ、挙げたい」と思うようになった。

場所を考えていたときに思い浮かんだのが自分たちの暮らす集落の公民館だった。あゆみさんの母親は住用町川内集落の出身。幼いころ、豊年祭や敬老会で川内集落の公民館で楽しく過ごした時間が頭に浮かび、理想とする結婚式に重なった。退院した後、2人で決めると脇田正人区長(78)に相談した。

城集落はここ数年、新型コロナウイルス禍で行事は軒並み中止となり、一時は公民館も使用停止になった。脇田区長によると、コロナ禍以前は十五夜や豊年祭、新年会などに使ってきたが、今は集落会も開けていない。若者も減る中で、公民館に久しぶりに人々が集まる企画を脇田区長も喜び、快諾した。

式には約70人が出席。色打掛姿で国道を渡り、公民館まで歩くあゆみさんを一目見ようと、沿道には集落の人々が集まり祝福した。式で将一さんは「一人ひとりの縁でつながり、このような結婚式ができた。ここに住んで良かった」とあいさつ。あゆみさんも「このうたげをきっかけに公民館が盛り上がってくれたら」と話した。

式に参加した脇田区長は「名瀬にも集宴施設がある中、集落の小さな公民館での手作りの結婚式をしようと思った2人の考え方が素晴らしい。集落の活性化にもつながる。みんなにとっても忘れられない思い出になったのでは」と2人を見守った。

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1946年(昭和21年)11月1日に奄美大島で創刊された奄美群島を主要な発行エリアとする新聞。群島民挙げて参加した日本復帰運動をリードし、これまでにシマの文化向上・発展のための情報を伝えてきた。
現在も奄美群島の喜界島、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8島を発行対象とし、その地域のニュース・生活情報を提供。現在、奄美出身者向けに奄美のニュース(本紙掲載)を月1回コンパクトにまとめた情報紙、「月刊・奄美」も 発行している。

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