食べられる草と言えば、長命草やヨモギを思いつく方は多いかもしれません。ですが、自生して「雑草」と呼ばれがちな草の中にも、昔から食べられてきた薬草やハーブがあるのを知っていましたか?
奄美に自生する草や花でおいしく食べることができる食材と、その食べ方をご紹介します。キャンプなどのアウトドアで知っていると、さらに楽しみが増えること間違いなし!
おいしく食べるポイントは、「おいしそう」と感じるものを選んで摘み取ること。柔らかそうな若葉や新芽、虫食いのないものや色が鮮やかなものなど、食べたくなる草を選んで食べてみてくださいね。
食べておいしい草や葉
丸くて個性的な形をしたこの草は「ツボクサ」。ニンジンやパセリなどのセリ科の植物です。そのまま食べても苦味やえぐみがなく、おいしく食べられます。
ちなみに、ツボクサの葉や茎から抽出されるエキスは、インドや中国などでは美容のために用いられるそうですよ。治りが早いので、虫刺されや傷に塗っているという人も。アウトドアで蚊に刺されたりしたら試してみてください。
こちらは「サシグサ」。葉は先の尖ったスマートな形をしています。キク科の植物ですが、キク科の草は食べられるものがとても多いです。
奄美では年中見ることができ、道端でもよく見かけます。白い花びらのかわいい花を咲かせ、茎や葉だけでなく花も食べられますよ。
サシグサは生で食べると少し苦味があるので、火を通して食べるのがおすすめ。栄養価が高く、カルシウムやビタミンA、鉄分やケイ素などが非常に多く含まれているようです。
こちらは「オニタビラコ」、キク科の植物です。生の状態だと苦味を感じて、少しクセがあります。草の個性を楽しむなら生で食べてもOKですが、一度熱を加えたほうがおいしく食べられますよ。炒め物や天ぷらなどにもおすすめです。
ツボクサやサシグサと比べると葉っぱが大きめなので、収穫した満足感が得やすい草です。
他にも、バンシロウやパパイヤといった木の新芽も食べられます。とってもおいしいので、お庭にそれらの木がある方はぜひ新緑の季節をお楽しみに!
食べておいしいエディブルフラワー
この鮮やかな色の花は奄美のあちこちで見かけますね!そう、「ハイビスカス」です。
オクラと同じアオイ科に属する植物で、花びらや葉っぱを噛んでみると少しねばねば感があります。調理すると花の形がくたっと崩れてしまうので、生のまま料理に添えるのがおすすめ。食べる時は真ん中の花粉がついている部分は手でちぎって、花や葉を食べるとよりおいしいです。
「月桃」はショウガ科の植物。ハーブティーにして楽しむ人も多いと思いますが、月桃の花もおいしく食べられます。料理してもいいですが、これも花の形が崩れるので生で食べるのがおすすめ。
花からも月桃のほんのり甘くて爽やかないい香りがふわ~っと漂ってきて、噛むと口いっぱいに月桃の香りが広がります!これはたまらない…。幸せを感じる味です。
ピンク色の花が小さすぎてピントが合っていないのですが、こちらの「ベニバナボロギク」も食べられるお花です。葉や茎も食べられます。
同じく食べられるスミレの花と一緒に料理に添えると、ピンクパープルの色合いがとっても華やかに彩ってくれます。
こちらは「ツルソバ」。タデ科の植物で、白くてつぶつぶとした花を咲かせます。
生で食べるとえぐみがありますが、茹でて和え物にしたり、天ぷらにするととてもおいしいです。個性的でかわいい花の部分を料理に添えても映えますね。
野草はどうやって食べるの?
わたしの個人的な感想ですが、野草や花を食べると、なんだか身体が元気になる気がします。野草を通して、大地のパワーやエネルギーを受け取っているからでしょうか?
せっかくの野草や花ですから、よりおいしく食べたいですよね!手軽に食べられる調理法のアイデアをご紹介します。もちろんこれ以外にも、おひたしや煮びたし、パスタの具材など、色んな食べ方があるので、ぜひチャレンジしてみてください!
生のままでもおいしい野草はサラダに
苦味やえぐみが少ない野草や花は、生のままでサラダにすると繊細な味わいまでしっかり楽しむことができます。せっかくなら、ドレッシングも市販のものではなく、オリーブオイルと塩、お好きなハーブやスパイス、レモンなどを使って手づくりしてみては?おいしいと感じればよし!おいしくなくても経験になる!?というくらいの気持ちで、色々と混ぜ合わせてドレッシング作りも楽しんでみてください。
お粥に入れて草の味わいを楽しむ
苦味がある草は火を通すと食べやすくなります。シンプルにお粥に草を入れた「草粥」で、素材の味を楽しんでみてください。お味噌やお漬物、ごはんに合うおかずと一緒に楽しめば、飽きずに最後まで完食してしまいます。写真のように花を飾る場合は、食べる直前にお粥の上に乗せると見た目も美しくなりますよ。
味噌汁の具や炒め物などにもgood
味噌汁に入れたり、炒め物にしたり、茹でて和え物にするのも野草のおいしい食べ方です。味付けはいつもよりちょっと薄味にして、今食べてるのは何の草だっけ?と話しながら食べるのも楽しい時間になりますよ。
奄美に自生しているおいしい野草や花。注意点は、草むらの中まで摘みに行くとハブがいる可能性もあるので気を付けることと、集落内などでは許可を取って草を摘むことです。野草や花は、奄美の自然からの恵。おいしく楽しく、ルールを守っていただきましょう!