鹿児島県奄美大島龍郷町の安木屋場海岸で15日、産卵のため上陸したアオウミガメがキャンプ場内に迷い込んでいるのを、奄美海洋生物研究会の興克樹会長らが見つけた。救出のため駆け付けた町内のダイビング事業者や地域住民らが力を合わせて波打ち際まで運び、ウミガメは無事に海へ帰っていった。
同日午後5時40分ごろ、ウミガメの上陸、産卵状況の調査をしていた興会長らが砂浜で足跡を発見。海に帰った形跡がないことから周辺を探したところ、海岸にあるキャンプ場内の資材の上で動けなくなっている個体を発見した。
ウミガメは甲長95センチの雌の成体。興会長から連絡を受けた龍郷ダイビング組合のメンバーや安木屋場集落の住民ら10人余りが集まり、ウミガメをケースに保護した。「頑張れ」という声援を背に、砂浜で放されたウミガメはゆっくりと歩き出し、海へ泳ぎ出した。
安木屋場海岸はウミガメの産卵浜として知られ、今年は4月14日に奄美大島で初めての産卵が確認されている。興会長は「住民のウミガメへの関心が高く、救出がうまくいった」と協力に感謝し、「どこの浜でも産卵する可能性はある。身近な存在と知ってほしい」と話した。
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