水中写真家・鍵井靖章さん(53)=神奈川県在住=の作品展示が3日から、鹿児島県奄美市名瀬の名瀬徳洲会病院で始まる。展示場所は1階ロビーと入り口正面の壁の一部、2階産婦人科待合室で、壁や窓一面に巨大なザトウクジラとジンベイザメ、ウミガメや魚たちが泳ぎ回り、まるで水族館のよう。同院地域医療連携室の峰元達也事務次長(55)は「期間は設けず展示する。病院に訪れる人や働く職員の癒やしになれば」と話した。
鍵井さんは1993年から世界各地を巡って水中撮影を手掛け、写真を通して自然の魅力を伝えている。2011年の東日本大震災以降は岩手県や宮城県の海を定期的に記録しており、24年の能登半島地震後も海中の調査などに取り組んでいる。
作品は鍵井さんが国内外で撮影した写真を特殊なシールに加工して壁面などに貼り付けたもの。2日は鍵井さん自ら足場に上り、窓や壁いっぱいに楽しげな海の中の様子を作り上げた。
鍵井さんは「海に行くたびに自然の素晴らしさ、癒やしの力を感じる。実際に出合い撮影した生き物たちを(作品を通して)共有し、見る人の気持ちを少しでも上向きにできればうれしい」と話した。