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奄美独自のお味噌、「粒味噌」って??

「味噌」と言えば、日本を代表する伝統的な調味料のひとつ。大豆や米、麦などを蒸したものに食塩と麹(こうじ)を混ぜて発酵させたものです。

“調味料のさしすせそ”としても有名ですね。
(※さ・・・砂糖、し・・・塩、す・・・酢、せ・・・醤油、そ・・・味噌)

ちなみに“日本三大味噌”といえば「八丁味噌」「白味噌」「仙台味噌」を指しますが(諸説あり)、奄美にも「粒味噌」という独自の味噌があるのをご存知でしょうか。

一般的に「粒味噌」というと、西京味噌・白味噌のように、米や大豆の粒を完全に潰さず、ある程度の粒感を残した味噌のことを言います。奄美の「粒味噌」も例に洩れませんが、想像以上に「つぶつぶ」した見た目と食感で、「これが本当に味噌なの?」と疑いたくなるほど。普段お味噌汁に使うようなペースト感は、全くありません。

しかし作り方を調べてみると、粗く砕いた蒸し大豆に、米麹と塩を混ぜているとのこと。

奄美の「粒味噌」もお味噌として立派に分類されるのです。ではどのようにして、ポロポロした味噌に仕上げているのか。

先ず前述した通り、「蒸した大豆の粒を残すように、粗く砕いている」こと。
その次に、「熟成させる期間を設けずに、出荷している」こと。
この2つが味噌に仕上げるための秘訣のようです。

通常味噌は3ヶ月~半年程度、いわゆる“寝かせる”期間が必要ですが、奄美の粒味噌に関しては、この熟成期間を設けていないのだとか。とはいえ出荷から食卓に並ぶまでの間に多少は熟成が進むことから、食す頃には程良いしっとり感と発酵を楽しみながら、美味しく食べられるようです。

そもそも「奄美の粒味噌」はその昔、現在の米の代わりに島に自生する蘇鉄(そてつ)の実を使って作った“蘇鉄味噌”のことを指していたのだそう。江戸時代、薩摩藩の支配が厳しく島民が飢えをしのぐために食べていたものが、蘇鉄の実でした。

蘇鉄の実には毒素が含まれているので、何日もかけて毒抜きをしていたのだとか。食べられるようになるまでに、大変な手間暇がかかっていたのです。そして米が手軽に入手できるようになった現在では、蘇鉄の代わりに米を用いた、現在の製法になりました。

材料が変わっても、「粒味噌」は島民の食生活を支え、島民の暮らしに馴染んでいます。それは「お茶うけ」としてはもちろん、島料理(しまじゅーり)に広く用いられていることからも明白です。

子どもはおむすびの具材に、家庭の食卓にはゴーヤチャンプルーに、オトナは黒糖焼酎のお供に。カメレオンのごとく姿を七変化させながら料理として仕上がっていく様を見ていると、老若男女から愛されている理由がよくわかります。

豚肉や魚、ピーナッツなど様々な具材と相性が良く、具材の風味が引き立つように調理された粒味噌は、つい食べ過ぎてしまうほど。粒味噌に馴染みが無い人は、その見た目やネーミングから、購入をためらってしまうことも少なくないはず。

しかしこのように様々な使い方が出来るのであれば、一度試してみるのも面白いのではないでしょうか。

粒味噌初心者さんにも簡単にできる、ゴーヤと粒味噌を使ったレシピをご紹介します。

【にがうり(ゴーヤ)味噌のレシピ】

<材料>

ゴーヤ・・・150g(1/2本)
奄美の粒味噌・・・150g
ざらめ糖・・・30g
けずり節・・・・15g
卵・・・2個
植物油・・・適量

<作り方>

①ゴーヤの種を取り、2~3mm程度の厚さに切る。塩で軽くもみ、洗って水気を取る。

②フライパンに油をひいて炒り卵を作り、器に移す。

③フライパンに油を入れてゴーヤを軽く炒める。ほぐした粒味噌と砂糖、けずり節を入れて、弱火で炒める。

④さきほどの炒り卵をフライパンに戻し、軽く混ぜ合わせて完成。

粒味噌はいろんな具材に合わせることができます。あなたならではの「粒味噌レシピ」。ぜひ探してみてくださいね!

 

㈱しーま 編集部ライター 平井

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島暮らし3年目。シマッチュ旦那とシマ生まれ1歳息子との楽しいアマミライフ。自然から学び、自然に生きたい。何かしらのマリンスポーツが人並みに出来るようになること、野草を見分けられるようになることが、いつかの目標。妊娠出産を機にフリーランスワーカーへ。現在人材業界のライター、小売業の営業を兼務。

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