奄美海洋生物研究会(興克樹会長)主催のウミガメミーティングが8月13日、鹿児島県奄美大島・大和村国直公民館であった。「ウミガメレスキュー」をテーマに親子連れら55人が参加。ウミガメの生態や保護活動、産卵、上陸状況を学んだ。同村国直海岸では奄美市名瀬の奄美海洋展示館で保護していたアオウミガメを放流。大きく前足を上げ浜辺から海へ向かうウミガメに子どもたちは「頑張れ」とやさしく声を掛け、見送った。
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ミーティングはウミガメの産卵環境保全を目的に開催。今年は奄美市、龍郷町に続き3回目。大和村での対面開催は新型コロナウイルスの影響で4年ぶり。
興会長らはウミガメの上陸、産卵数などを報告。アオウミガメは全国的にやや増加傾向にあり、人を恐れなくなっていることや傷病個体の保護数も増えていることを説明した。NPO法人TAMASU(国直)の中村修代表も漁網に絡まった個体の救助や、同村海岸沿いの街灯をウミガメに影響の少ない赤色にかえる取り組みを紹介。「ウミガメを守ることは集落の暮らしを守ること」と保護活動への協力を呼び掛けた。
国直海岸で放流したアオウミガメは、2021年1月に奄美市笠利町の海岸で動けなくなっていたところを興会長が発見、保護した個体。甲長が約40センチから54センチに成長し、同館の大水槽でも力強く泳いでいたことから外洋で生きていけると判断、放流が決まった。
神戸市から参加した児童はウミガメを最後まで見送り「神秘的ですごいと思った」と笑顔で話した。そばで見守った児童も「ちょっと悲しくもあり、うれしくもある」と話した。
興会長は「この30年でウミガメと人間との関係は大きく変化している。海で起こっていることを記すことで課題も見えてくる。この環境を守り未来へと伝えていけるよう、保護活動に努めたい」と語った。
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