奄美海洋生物研究会(興克樹会長)主催のウミガメミーティングが6月4日、奄美市名瀬の奄美海洋展示館であった。親子連れなど約50人が参加。興会長が奄美大島で主に見られるアカウミガメやアオウミガメの生態や上陸、産卵状況などを報告。近くの大浜海岸でウミガメが上陸した足跡や産卵跡を観察して自然の豊かさを再認識した。
ミーティングはウミガメの産卵環境の保全を目的に、各地で上陸、産卵に関する調査報告や観察会を行っている。新型コロナウイルスの影響で中止やオンライン開催が続き、対面では3年ぶり。
興会長はアカウミガメについて、北太平洋では日本が唯一の産卵地であることや、奄美大島で産卵した個体の追跡調査で、東シナ海が主な餌場になっていると説明。
近年になって全国的に上陸、産卵確認数が顕著に減少しているとして、東シナ海での漁業活動に伴う混獲や、中国で発生した大規模な密猟などの影響を指摘し、「産卵する場所だけでなく、生息、移動する海域の保全も重要」と強調した。
興会長から上陸したアカウミガメは脚を交互に動かし、アオウミガメは両脚を一緒に動かして前進するため、砂浜の足跡が異なると説明を受けて、参加者らは大浜海岸でウミガメの足跡をじっくり観察した。
参加した小学生とその母親は「カメを見られなかったのは残念。今度は見てみたい」、「身近な場所に足跡があるんだと思った。自然豊かな所に住んでいることを改めて感じた」と話した。
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