鹿児島県奄美大島の大和村国直沖で20日から、3夜連続でサンゴの一斉産卵が確認された。奄美海洋生物研究会会長で自然写真家の興克樹さん(51)=奄美市名瀬=が撮影した。卵と精子の入った直径0・5ミリほどの淡いピンク色のカプセルが無数に漂い、夜の海を幻想的に彩った。
興さんによると、20日は午後10時半ごろから11時すぎまで、卓状のハナバチミドリイシやクシハダミドリイシ、樹枝状のトゲスギミドリイシなど約10種が次々と産卵した。
国直沖のサンゴ群集は1998年の大規模な白化現象で壊滅したが、その後急速に回復。住民らに見守られながら順調に成長を続けているという。
興さんは「産卵ピーク時には前が見えないほどで、力強い営みに感動した。サンゴの回復が遅れている海域にも、多くの幼生が定着することを期待している」と話した。
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