鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の実久海岸沖で1日夜、サンゴの一斉産卵が確認された。奄美市名瀬の自然写真家・興克樹さん(50)が撮影した。卵と精子の入った淡いピンク色のカプセルが無数に漂い、夜の海を幻想的に彩った。
興さんによると、同日午後8時ごろから11時半ごろにかけて、卓上のウスエダミドリイシや樹枝状のトゲスギミドリイシなど約10種のサンゴが次々と産卵した。周辺のサンゴは2000年ごろ、オニヒトデの大量発生で壊滅したが、近年は海底の8割を覆うほど回復している。
「産卵ピーク時には前が見えないほど。力強いサンゴの営みに感動した」と興さんは話し、「回復が遅れている海域に多くのサンゴ幼生が定着してくれたら」と期待した。
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