台風10号の影響で欠航が続いていた鹿児島県本土-奄美群島-沖縄航路の定期船が31日、5日ぶりに奄美群島の各港に入港し、生鮮食品などの供給が本格的に再開した。奄美市名瀬のスーパーや小売店の店頭にも、入荷が滞っていた乳製品やパンなどが次々と並び、来店した住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。
県本土を出発して奄美各島を経由し沖縄へ向かう下りの定期船は、8月26日の出発便から欠航が続いていた。
奄美市の名瀬港には31日午前6時半ごろ、マルエーフェリーのフェリー波之上が入港。生活物資などを積み込んだコンテナが次々と下ろされ、港内は運送業者や小売業関係者、乗船、下船客などで混雑。大会遠征帰りの団体客の姿も目立った。
生鮮食品を中心に空き棚が目立っていた奄美市内のスーパーには、開店後も続々と商品が並べられた。
奄美市名瀬のいずみストアーは牛乳やヨーグルト、豆腐などの日配品を入荷。来店した女性は「船が入ったと聞いて来た。牛乳があってよかった」と喜んだ。
運航を再開した定期船の乗客からも喜びの声が聞かれた。県本土で開催中のU15サッカー選手権大会に出場し、28日の下り便で帰島予定だった同市の中学生男子(15)は、台風が上陸した薩摩川内市内で足止めを余儀なくされた。
母親(54)は「バスやレンタカー、宿代がかさんで大変。宿は停電しなかったが、子どもたちの食事は差し入れのおにぎりやレトルトカレーでしのいだ。新学期前に帰ってこられてよかった」と話した。
海の便が再開した一方、空の便では県本土と群島間や群島間を結ぶ路線の一部が機材繰りの関係などにより欠航となり、乱れが続いた。
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