鹿児島県の喜界島から北上し、徳島県阿南市に渡ったアサギマダラが4月23日に見つかった。鹿児島昆虫同好会の福島誠さん(79)=喜界町中里=が3月20日、同町の林道滝川線でマーキングして放したうちの1匹。福島さんがマーキングしたアサギマダラの渡りが確認されたのは高知県室戸市で発見された2019年以来3年ぶり。
アサギマダラは季節に合わせて日本列島を長距離移動するチョウとして知られ、研究者らが個体の羽に捕獲場所や日付を記入して放し、移動ルートなどを調査するマーキングの取り組みを行っている。福島さんは2001年から20年以上マーキング活動を行っており、今春は800羽以上に捕獲場所や日付を記入している。
福島さんによると、阿南市で捕獲されたアサギマダラは、スイゼンジナ(ハンダマ)の花に止まっていた個体を現地の昆虫愛好家が捕獲。羽には「キカイ」「T」「MF516」のほか、日付を示す「3/20」が記載されていた。
個体に記された「T」は林道滝川線、「MF516」は福島さんがマーキングした516羽目の個体を意味する。福島さんは昆虫愛好家の交友サイトで、自身がマーキングしたアサギマダラの画像などを公開していたことから、同サイトを通じて確認の連絡が届いたという。
福島さんは「アサギマダラの渡りが確認されたのは、奄美では今年初。喜界島では今春、個体は例年の約半数しかいなかっただけに、本土への渡りを確認できてうれしい。今後も体力の続く限り活動を続けたい」と話した。
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