鹿児島県伊仙町立伊仙中学校(寿山敏校長、99人)で9日、1年生の理科の授業でハブの解剖が行われた。NPO法人徳之島虹の会の協力で東海大学の竹中践(せん)名誉教授=北海道札幌市=と、日本蛇族学術研究所の森口一研究員=群馬県太田市=が講師を担当。生徒たちは死んで凍っているハブに恐る恐る近づき、実際に触れたりにおいを嗅いだりして学びを深めた。
身近にある生き物の生態系に興味を持ってほしいと徳之島虹の会のサポートで実現。同会はこの日のために島内で捕獲した長さ160~80センチのハブを生きたまま冷凍。2匹を授業用に提供した。
講師たちはまず、スライドでハブの種類と毒の有無、それぞれの生態系について紹介。次に生徒たちの目の前で牙やうろこを見せながら解説した。解剖の様子はカメラを用いて大画面で映写。生徒たちは精巣や脂肪など実物の内臓を観察し、講師たちに質問を重ねた。
生徒の一人は「ハブは腸が長くてびっくり」と驚き、「人間がかまれないようにし、ハブを駆除しすぎないように気を付けたい」と話した。
森口研究員は「ハブは重要な仲間で絶滅させてはいけない。多様性を維持しながら自然環境を保つことが大切」と呼び掛けた。
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