鹿児島県奄美市住用町の住用小学校(山美奈子校長、児童17人)は13日、世界自然遺産地域に指定されている同町の役勝川で絶滅危惧種リュウキュウアユの観察学習を行った。児童と保護者、行政、地域住民ら約40人が参加し、水の中を元気に泳ぎ回る若アユの姿に歓声を上げた。
同校は環境教育の一環で、2006年からリュウキュウアユの保護活動に取り組んでいる。この日は鹿児島大学水産学部の久米元准教授、鹿児島県環境技術協会の米沢俊彦さん、黒潮の森マングローブパーク養殖技術者の又野峰誓さんが講師を務めた。
児童らは奄美の自然環境の特徴や、海と川を行き来するリュウキュウアユの生態などについて校内で説明を受けた後、バスで学校近くの役勝川中流域へ移動。水中メガネを着けて川の中をのぞき、泳いでいるアユの姿を確認した。テナガエビやハゼなども多く見られ、参加者は身近な川の生き物の観察を楽しんでいた。
5年生の児童は「去年は見られなかったから、たくさん泳いでいてうれしかった。リュウキュウアユのことをいろんな人に広めて、これからも大事に守っていきたい」と話した。
リュウキュウアユは奄美大島だけに天然の個体群が残る。かつては食材としても親しまれていたが、赤土流出や干潟の埋め立てなどで減少し、環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類。県は条例で希少種に指定して保護している。
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