国の重要無形民俗文化財に指定されている「与論十五夜踊」が旧暦8月15日に当たる9月10日、与論町(与論島)の地主(とこぬし)神社で奉納された。新型コロナウイルス感染対策のため、獅子舞や大綱引きは行われず、踊り時間も縮小されたが、演者たちは400年以上続いてきた芸能を大切に島の安寧を祈った。
「与論十五夜踊」は1561(永禄4)年に始まったとされ、毎年旧暦3、8、10月の15日に奉納される。最も盛大な旧暦8月には、例年、獅子舞や大綱引きも行われる。踊り手が一番組と二番組に分かれて演目を披露し、本土風の踊りと琉球風の踊りが見られるのが特徴。
境内には「嶋中安穏」と書かれた大旗が掲げられ、山元宗町長は「この言葉は与論の先祖が独自に語り継いできた言葉。一つの島で安らかに過ごしていけるよう、心を一つにしていこう」とあいさつ。20年間、毎年十五夜踊を見に来ているという埼玉県在住の山田郁子さん(81)は「今回はコロナで観客も演目も少なくなったが、その分解説も聞けて分かりやすかった」と話した。
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