奄美大島と言えば、国立公園に認定されるほど自然豊かな島。どこまでも青く澄んだ海、神秘的で深い緑の森が思い浮かびます。そしてもうひとつ、奄美大島でオススメしたい自然があります。
それは「星」。周りに明かりが少ない奄美大島では、見たことないほどの満天の星が輝きます。波音を聴きながら星空を眺めていると、自分たちの存在がちっぽけに感じ、宇宙の奇跡に圧倒されそうになります。
一年中見られる天の川
「天の川って夏だけじゃないんですね。」
奄美大島に来た人と星を見ていると、たまにこんなことを言われます。都会ではなかなか見上げることがない星空。月や星が毎日動いて見えることや、天の川が一体何なのか知らない人もいます。
天の川とは、わたしたちの地球が属する銀河系の姿そのものです。たくさんの星が散らばる銀河系。その中でも地球から見て星がたくさん集まっているところが天の川として見えているのです。
つまり、天の川は夏だけのものではなく、いつでも存在しています。たまたまきれいに見えるのが夏なので、夏の風物詩と思われているだけ。冬でも春でも、時間と場所を選べば天の川は見ることができます。
季節ごとに表情を変える奄美大島の星空
5月から9月ごろは東から南の空に天の川が見られますので、手広海岸やあやまる岬、用安海岸がオススメ。10月から12月は西の空に天の川が出るので、大浜海浜公園が良いです。このように、季節と場所によってさまざまな星空を見せてくれるのが奄美大島です。
ちなみに、冬場は北の空に天の川が出ます。きれいに見えるのは夜中の3時や4時ごろなので夜更かししないといけませんが、うまくいけば龍郷町の加世間峠から、2つの海にアーチを描く天の川を見ることができます。
長寿の星、カノープス
もうひとつ、奄美大島ならではの星があります。カノープスです。本土では地平線近くに現れる星なのでなかなか確認できませんが、南に位置する奄美大島では冬の空にはっきりと現れます。
全天でもっとも明るい星は、おおいぬ座のシリウスです。カノープスはこれに次いで2番目に明るい星です。
見つける目印は冬の大三角形。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスを結ぶと冬の大三角形ができ、この真下にある一際明るい星がカノープスです。中国では「南極老人星(なんきょくろうじんせい)」と呼ばれ、見ると寿命が伸びると言われています。
冬の空は空気が澄んでいて、星がはっきり見えます。晴れた日にはぜひ星空を見上げて、長寿の星カノープスを探してみてください。