鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の諸鈍(しょどん)のデイゴ並木が花を咲かせた。害虫被害で樹勢が衰えていたが、防除対策や樹勢を回復させる治療を施すなどして徐々に回復。今年は近年にない咲きっぷりで地元住民を喜ばせた。
諸鈍のデイゴ並木は、最も古い木は樹齢300年余りといわれ、花は例年5月のゴールデンウイーク明けに見頃を迎える。2008年にデイゴに寄生する外来種の害虫デイゴヒメコバチによる被害を初確認。衰弱や枯死などで85本あったデイゴは約60本まで減った。
今季の花は見頃のピークを過ぎたが、取材した24日は梅雨の晴れ間が広がり、青空に深紅の花が映えていた。町では新型コロナウイルス感染拡大予防のため、来季以降の観光を呼び掛けている。
昨年、町の委託を受けて治療に当たった樹木医事務所・木風(東京都)の後藤瑞穂代表取締役は「防除対策に加え、新たに土壌改良や病気が入り込んだ枝を取るなど、樹勢を回復させる治療を行ったことで花付きがよくなったと思う」と効果を語った。
町は今後も治療を続ける方針で、瀬戸内町立図書館・郷土館の重村一人館長は「デイゴが元気になって多くの人に喜んでもらえたら」とさらなる回復に期待を込めた。
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