鹿児島県奄美大島・大和村大棚(おおだな)で整備が進む天然温泉を目玉とした観光施設「奄美温泉大和ハナハナビーチリゾート」の竣工(しゅんこう)披露会が11日、現地であった。島内の自治体関係者や来賓ら100人以上が出席。奄美の自然に溶け込み、その魅力を体感できる新しい観光施設の始動に期待を寄せた。
施設はグレイ美術(本社東京、浜崎哲義代表取締役社長)が、2019年に所有敷地内で行った地質調査で温泉が出る可能性を確認し、20年10月に大和村と立地協定を締結し整備。
21年3月に温泉掘削工事を始め、同年9月に地下約1600メートル地点で温泉を掘り当てた。泉温は40・2度で、泉質は弱アルカリ性単純温泉。23年3月に着工し、園内全体の敷地面積は約37000坪。総事業費は10億円超。
整備に当たり村は、施設従業員の宿舎として大和浜の埋立地に政策住宅を建設した。家賃のうち月額2万7千円を補助する。
式典で同村大和浜出身の浜崎社長は「この素晴らしい奄美の自然を味方にして、新しい観光の在り方をやっていかなければならない。ありのままの自然を(利用者に)感じさせることが私たちの仕事だと思っている」などと思いを語った。
伊集院幼村長は「この施設が大島本島の観光振興の起爆剤になると思っている。民間企業の皆さんとしっかり連携を図りながら、奄美の振興発展に取り組んでいきたい」とあいさつした。
11日はインフィニティ露天風呂(温泉の縁が見えず、海と一体化したような景色を楽しめる風呂)やアウトドアサウナを備えた温泉棟、開放感のある屋上バー付きのレストラン棟、ウォータースライダー付き屋外プールなどが公開された。
12日には観光関係者向けの内覧会を行い、13日から村民に公開する予定。グランドオープンは19日。今月末からトレーラーハウス宿泊施設の予約受け付けも開始する。